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相談は私を前向きにしてくれる 〜プロビーチサッカー選手 山辺紗希さん特別インタビュー〜

こんにちは!Smart相談室CEOの藤田です。
今回は、「アスリート応援プロジェクト」でサポートしているプロビーチサッカー選手の山辺紗希さんと、プロジェクトにご協力いただいているSmart相談室カウンセラーの岡安一正さんに、アスリートとメンタルヘルスについてお話を伺いました。
聞き手は私藤田と、広報の宮田さんです。

山辺 紗希(やまべ・さき)
プロビーチサッカー選手


出身地:兵庫県
【来歴】
2006年〜2011年 INAC神戸レオネッサU-18
2016年〜2020年 なでしこリーグ 伊賀FCくノ一三重
2023年~ ビーチサッカーに競技転向

*アスリート応援プロジェクトとは

 頑張る人たちをSmart相談室によってサポートしたいとの想いから発足したプロジェクト。 特に、日本スポーツ界が課題として抱えている、現役アスリートのメンタルヘルス対策やキャリア支援、引退アスリートのセカンドキャリア支援を、カウンセリングを通して積極的に推進する新しい取り組みです。支援アスリートに対して「Smart相談室」のカウンセラー相談を無償で提供しています。
発足の想いは以下で語っています。


あのときにSmart相談室があったら

(藤田)山辺さん、はじめまして!今日はよろしくお願いします。まずは自己紹介をお願いできますか?

(山辺さん)山辺紗希です。なでしこリーグ一部で女子サッカー選手として4年間プレーし、2020年シーズンで現役引退後、2年間のブランクを経て、2023年からビーチサッカー選手として活動を開始しました。よろしくお願いいたします!

(藤田)ありがとうございます。岡安さんとの関係性も教えてください。

(山辺さん)岡安さんとは、はじめは紹介で知り合いました。Zoomでお話したときに、涙が出そうなぐらい岡安さんの境遇が自分自身と重なって。苦い思い出とかもとても共感して、直接お会いした時にはすごく熱く語り合いました。昔からずっと知っているような感覚で、岡安さんにはたくさん相談に乗ってもらってます。

(藤田)ありがとうございます。岡安さんからも山辺さんについて一言お願いします。

(岡安さん)山辺さんとは境遇が非常に似てるんですよね。元アスリートという共通項だけではなくて、どうしようもない怪我に苦しんでいたことや、怪我から復帰してセカンドキャリアを歩んでいることなど、ものすごく境遇が似ていたので、熱くお話させていただきました。今は東京と大阪で離れてはいるんですけれども、いろいろアドバイスをするというより、お兄ちゃんって感じで慕ってくれているなと感じています。

*岡安さんにもインタビューしています!その様子はこちらから

(藤田)ありがとうございます。山辺さんには今回アスリート応援プロジェクトに参加いただいているんですけれども、Smart相談室を使ってみていかがですか?

(山辺さん)私は引退するときに、セカンドキャリアのことですごく悩んだ経験があります。誰に相談すればいいかもわからなくて、一人で抱えてた時期もあったんですけど、その時にSmart相談室を利用できてたら、あの時の苦しみも少し変わってたのかなって思うことがあります。この応援プロジェクトはすごく魅力的で、今まで競技に没頭していた選手だからこそ悩んで苦しんでいる部分に光を当てられるのが、Smart相談室だなって感じます。

(藤田)ありがとうございます。本当に、山辺さんがおっしゃるとおりの想いで僕らはこのサービスをやっています。

相談すると「頑張れる」って気持ちに変わる

(藤田)Smart相談室を通して岡安さんに相談されていると思うんですが、山辺さんにとっての相談の良さはなんですか?

(山辺さん)そうですね、相談する前は結構一人で悩んで、苦しいというかどうしたらいいんだろうっていうしんどい気持ちで、生活の全部が暗く見えるっていうか。そういうのが続いたりもしたんですけど、相談することで気持ちもすごく明るくなりますし、自分が本当にやるべきこととか、今やることがすごく明確になって、「頑張れる」っていう気持ちに変わるっていうところがすごくいいなと思います。

(藤田)僕からすると、プロアスリートはメンタル不調とか悩みとかはあまりなくて、こういうサービスも必要ないんじゃないかっていう風に感じなくもないんですけど、問題があるんですね?

(山辺さん)はい、めちゃくちゃ問題あります。大きく言うと、私の場合は3つです。

ひとつは、現役選手として怪我が一番の問題です。自分の体のことに対して繊細というか、一喜一憂する部分が一番そこにあるんですね。しかも今ビーチサッカー選手としてやっていて、サッカーとは違う体の使い方とか、裸足ならではの怪我とか、そういったところで悩むこともあります。

もう一つはサッカー選手時代と現在のギャップ。サッカーをしていた時は、周りの選手たちも競技が主軸でしたが、現在は仕事が主軸で、選手全員違う仕事をしています。サッカー選手時代はチームメイトと毎日会っていたのが今は違っていたり、仕事軸なので競技に対する熱量や取り組み方にギャップを感じます。
当たり前だと思っていたことが当たり前じゃないと感じることが多かったり、その面での声かけや一緒にいる時間が少ない分、選手との関係性などで考える事が多くなりました。

最後に競技以外で言えば、仕事面です。ずっとサッカーしかしてこなかったので、引退間際には、まずやりたいことが見つからない状態が一番の悩みでした。自分が何に向いてるのかもわからないし、どういう仕事があるのかもわからないし、すごく悩みました。

自分がすごく悩んだ経験があるので、スポーツ選手に対して何か力になりたいと今活動してるんですけど、その欲が強すぎて何から始めたらいいかわかんないっていう悩みもあって。仕事の面でも岡安さんに相談に乗っていただいています。

(藤田)そうなんですね。でも岡安さんってサッカーのご経験があるわけではないじゃないですか。怪我やチームメイトとの関係性の部分を岡安さんに相談することの効果はどうなんでしょうか?上手くフィットしますか?

(山辺さん)そうですね、言うなればスターバックスみたいな感じで、私にとってのサードプレイスなんですよね。家族でもなく仕事仲間でもなく友達でもなく、でもしっかり相談しやすい。客観的にも見れたり、親身に相談乗ってもらったり、「そうしたらいいんだ」とか「そういうアイデアもあるんだ」とか気づきももらえて。親や友達からはもらえない言葉をもらえるという点で、すごく岡安さんに相談してよかったなって思います。

(藤田)いやいや、素晴らしい。岡安さん、これは嬉しいですね。

(岡安さん)めちゃめちゃ嬉しいですね。

(藤田)ありがとうございます。今のって岡安さんに話を聞いてもらってよかったなっていう気持ちだと思うんですけども、話した結果山辺さん自身はどうなるんですか?

(山辺さん)話した後はすごくスッキリするっていうか、クリアになります。自分の頭の中がすごくごちゃごちゃな状態で、まとまってない話を全部伝えているんですけど、最終的には「自分ってここを目指してるんだ」とか「自分はこういうことがしたいんだ」とか「じゃあこれから始めたらいいんだ」みたいな感じでやることが明確になって、道ができるっていうか、本当に前向きになれます。

アスリートのセカンドキャリアの難しさ

(藤田)次は仕事の部分なんですけど、アスリートの引退後のキャリアって結構難しいんだろうなっていうふうに、素人目にも見えるんです。そのあたりの業界における課題感とか、こういう風にした方がいいんじゃないかとか、お考えがあれば教えてください。

(山辺さん)そうですね、私の周りの女子サッカー選手が引退後に何をしているかっていうところで言えば、本当に人それぞれではあるんですけど、「やりたいことが見つからないから、正社員で働いてもすぐにやめちゃう、だからまずはバイトから始めよう」っていうことが多いです。でも「やっぱりやりたいことと違うな」ということが続いて辞めてしまって、それを繰り返して、結局正社員になかなかなれず。時間をかけてやっと正社員になったはいいものの、本当にやりたいことなのかわからないという感じの子がすごく多いです。

その原因は、一人で悩んでることだと思います。自分がどういうことに向いてるかとかも含めて、自分自身のことを理解できてないっていうところがあるので、そういう場面でSmart相談室でコーチングを受けたり、カウンセリングを受けたり、相談をしてみることはいいなと思います。
でも、実際その方法すら思いつかないんですよね。「誰かに相談することってあるの?」「そういう相談乗ってくれる人っているの?」みたいな感じなので。

(藤田)なるほどですね、すごくよくわかります。その反面、例えば報道でよく見るようなスポーツ選手ってメンタル面のコーチとか、自分のメンタルを理解する、内省するとか、そういうのって結構日常的にされてるのかなというイメージがあったんですけども、そういうわけじゃないんですか。

(山辺さん)メジャーな選手であれば、そうやって一人一人にメンタルのサポートをしてくださる方がいたりとか、栄養指導してくださる方がいたりとかはあるんですけど、女子サッカーってやっぱりマイナースポーツで、ビーチサッカーになると余計マイナースポーツなので、金銭面とかも含めてメンタルケアをしてくださる方が近くにいないし、相談もしにくいっていうのはすごく感じます。

(藤田)なるほど、よくわかりました。

追い詰められたときの最後の砦

(藤田)山辺さんは、最初相談することに抵抗はなかったんですか?

(山辺さん)いやー普通だったらしないです。プライドが高いわけじゃないんですけど、自分の弱いとこを見せたくないっていうのがあって、普段からずっと人に話すっていうことをしてこなくて。何か悩んだらまずは自分で壁打ちして、悪いところは自分で克服するみたいな感じのことをしていました。

人に相談するっていう概念がまずなかったので、抵抗はめちゃくちゃありましたけど、岡安さんはすごく共感できて、同じ人間だなって思えて、すぐ打ち解けられたっていうところが一番大きいですね。

(藤田)貴重な出会いだったわけですね。岡安さんと出会った今、相談することっていうのは非常にご自身にとっては意味があることですか。

(山辺さん)本当に意味があると思います。

(藤田)そうなんですね、仮に後輩とか周りの選手で同じように苦しんでる人がいたら勧めますか?

(山辺さん)勧めますし、現に勧めたい人もいますね。

(宮田)最初相談することに抵抗があったっていうことだったんですけど、岡安さんに相談するようになったあと、どういう時に、「あ、今日は相談したいな」と思いますか?

(山辺さん)そうですね。わたしが相談するときは結構思い詰めた時です。「もうちょっとでしんどくなりそうやなぁ」っていう時に相談できてたら、多分もうちょっとフランクな感じで話せると思うんですけど、内容がすごく重いんですよね。それぐらいなので、自分が「もうしんど」って追い詰められた時に相談させてもらってます。

(宮田)岡安さんが最後の砦みたいになってるんですね。すごい大事な存在なんだなと思いました。

(山辺さん)いや、ほんとそうです。ありがとうございます。いつも。

(岡安さん)今直近の悩みってなにかありますか?

(山辺さん)そうですね、直近で悩んでることっていえば本当に休みがないことですよね。やりたいことのためにいろんな方をつないでいただいたり、自分の仕事もあったり、ビーチサッカーも練習しないといけなかったり、自分でうまくコントロールできてないというか。自分の体を休める時間を作るよりも、前に進むために「やろう!」みたいな感じでやっちゃってるんで、一日休みがなかなか取れていないことが一番悩みです。バランスを相談しながら調整していきたいですね。

(岡安さん)いつも連絡も夜中とかで、「うわ大丈夫かな」と思ってました。体調管理しっかりやっていきましょうね。

(山辺さん)はい、気をつけます。また相談しますね!

一人で抱え込まないで

(藤田)同じようなアスリートの方とか、ファンの方にぜひ一言コメントをいただければと思います。

(山辺さん)私は一人で悩んで本当に苦しい経験をしてきました。誰に相談したらいいかもわからず、悩んでるアスリートとかファンの方に対しては、まずは一人で抱え込まないでと伝えたいです。

 そして、このSmart相談室が助けになるかもしれないということもお伝えしたいです。Smart相談室は、プロコーチやカウンセラーなど、いろんな方がたくさんいらっしゃるので、自分に合った方が必ずいると思います。相談しながら、少しでも楽しく前向きに進んでほしいなと思います。

(藤田)ありがとうございます。最後になにかお伝えしたいことがあればぜひお願いします!

(山辺さん)11月に大阪の岬町にあるビバレーっていうビーチのスタジアムで自主大会をします!自分たちで運営して企画する大会がなので、ぜひそこに見に来ていただけたらなと思います。詳細は決まり次第チームのInstagramでお知らせしますので、ぜひチェックしてみてください!

あとは、大阪の環状線の桜宮の人工ビーチでいつも練習してるので、日曜日とかに来ていただければ、もしかしたら会えるかもしれないです。よければ見に来てくださいね。

(藤田)今日はありがとうございました!


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