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社内の「つながり」を築き、再現し続ける。ツナガル株式会社の理念浸透施策とは? 【HRセクションマネージャー山﨑琴実さんインタビュー】

こんにちは!Smart相談室Corporateマネージャーの三浦です。
今回は大好評なコラボ企画の第3弾!「Smart相談室」のユーザーでもあるツナガル株式会社(以下ツナガル)のHRセクションマネージャーである山﨑琴実さんをお招きして、お互いに聞きたいことを聞きまくる、という企画です。

Smart相談室からは、ツナガルさんの理念浸透施策について伺いました!このお題を設定したのは、ツナガルさんの施策からSmart相談室でも活かせる学びを得たいと思ったからです。ツナガルさんの理念や社員への想いは、Smart相談室のものと重なる部分も多く、さらにツナガルさんではそれが組織として体現できていると強く感じていました。

ツナガルさんとは組織の規模も近いので、理念浸透施策をぜひ参考にさせていただきたい!との想いで、具体的な施策やツナガルさんの今後について、深堀ってきたので、ぜひご一読ください!

写真左 山﨑 琴実(やまさき・ことみ)
ツナガル株式会社 HRセクションマネージャー
  

大学卒業後、2015年にIT企業へ入社。4年間インフラエンジニアとしてネットワークの運用業務に従事しつつ、就職活動時に採用を通して人事の仕事に興味を持ったことから、一社員として新卒の内定者研修やその他社内イベントを企画提案するなど積極的に活動。その後、人事としてのキャリアをスタートさせるべく、未経験かつ1人目人事として2019年にツナガル株式会社へ入社し、採用・制度設計・企業文化形成、総務・労務周りなど、バックオフィス業務を幅広く担当。経営戦略を基に人事戦略を立案、そこから様々な施策へ落とし込み、PDCAを回す日々を送っている。


その人が持つ「つながり」に価値がある

(三浦)琴実さん、よろしくお願いします!こんな機会がいただけて嬉しいです。今日は、バリューやミッションなど、ツナガルさんの理念に関わる部分について、どういう施策を回しながら社内に浸透させているか、もしくは今見えている課題に対して何をやっていきたいかなどを聞いていきたいと思っています。
まず、ツナガルさんが一番大事にしている理念は何ですか?

(山﨑さん)社名にもなっている通り、「つながり」そのものに一番の価値があるという考え方が、何をするにも根底にあります。
「つながり」というのは、例えば、人と人とのつながりや国と国とのつながり、自分が育ってきたバックグラウンドや今住んでいる場所でのリアルなつながりのことで、それをどんどん広げていきたいと考えています。そういう考え方が何をするにも根底の価値観として根付いているのかなと思います。

(三浦)確かに、人が生きていく上でつながりって、必ずなにかしらあって、よくそれがアイデンティティになっていくって言いますよね。そこを、大事にしているのかなと感じました。
その「つながり」は社内で見た時に、どんなふうに体現されていたり、生かされていたりしますか。

(山﨑さん)ツナガルは拠点が全国にあります。本社が大阪で東京、札幌、福岡、あと愛知や大分にも無人ですが拠点があります。でも拠点といっても、その拠点に所属しているという意識はあまりなくて、「みんなが集まれる場所」という意味合いで存在しているんです。

それぞれが住んでいるところで、その地でつながりを持ちながら、拠点には社員が集まって、そこでつながりを持つ、もしくはつながりを持ち寄るっていうイメージですね。

例えば、札幌に拠点があるんですけど、旭川に住んでいるメンバーもいるんですよ。ちょっと遠いので札幌所属とかではないんですよね。でもそこで「遠いから札幌に引っ越してきてください」ということは一切なくて、むしろその人がいることによって旭川とのつながりができます。

その地にいながら、そこで仕事ができるというだけではなく、全部その人のアイデンティティとして受け入れて、その人が持つつながりもこっちに持ってきてほしいと思っています。そういうところで非常に体現されているのかなと思います。

(三浦)旭川に住んでらっしゃる方のつながりを持ってくるっていうのは、どういうことなんですか?

(山﨑さん)例えば、その方はツナガルに転職してくる前に旭川でお仕事をしていたので、その仕事で出会った人とのつながりがありますよね。仕事だけでなく、旭川でお世話になっている飲食店のオーナーとのつながりみたいなものもあるかもしれません。

そういう地域でのつながりって絶対にあるんですけど、企業としてそのつながりを築くのはちょっと難しい。地域の入り組んだつながりってその地に住む人にしかなかったりするので、そういうものをツナガルを通して、日本全国や世界に広げていきたいんです。ツナガルはそういうことがしたくて集まってる仲間が多いかなと思います。

(三浦)イメージ湧いてきました。それって入社された方自身もそうですけど、その方のこれまでを会社として認めて応援するみたいなイメージなのかなって思いました。

(山﨑さん)そうですね。その雰囲気はめちゃくちゃ強いと思います。その人の持つつながりをそのまま生かしたいみたいなところがありますね。

社内のつながりをつくる1on1

(山﨑さん)ツナガルって実は、全員で一つの場所に集まる機会も1年に1回しかないんです。でも全然久しぶりな気がしないんですよね。年に1回しか集まらないので、初めて会う人っていうのは毎回絶対いるはずなんですけど、微妙な距離感みたいなものは全然なくて、「初めての気がしないね」っていうセリフがいろんなところで聞こえるっていう感じなんですよね。

つながりを広めるっていうことを今サービスにもして、一番大事にしているところなので、その想いが共通しているメンバー同士のコネクションはすごく強いと思います。

(三浦)え、それすごいですね。人事としては嬉しいですよね。

(山﨑さん)めちゃくちゃ嬉しいですね。

(三浦)それって、自然発生的なこともあると思うんですけど、そうなるためにやっている人事施策もあると思うんです。例えば、オンボーディング期にはこういうつながりを作っていくためにこういう施策とか、社歴が長くなってきたらこういう施策というような、社員同士のつながりを作るための取り組みってあるんですか?

(山﨑さん)あります。まずオンボーディングで言うと、基本的には2か月間のプログラムを組んでいます。その中で、新卒中途問わずなんですが、自分の所属する部だけじゃなく、ほぼ全員と1on1をするようにしています。全社のつながりを強いものにしていきたいのと、横断したプロジェクトも今後強めていきたいという意向もあり、この施策を進めています。

(三浦)今社員数はどのくらいでしたっけ?

(山﨑さん)社員数は50人弱なんですが、1on1の対象となるのはだいたい22,3人だと思いますね。

(三浦)相当な人数ですよね。

(山﨑さん)そうなんですけど、そういう人たちとしっかりと1on1をすることによって、誰がどういう想いでどういうミッションを持ちながら、今こういう仕事をしてるんだっていうのを、ちょっと意識するようになるんです。

そうすると、例えば、自分が取り組んでいるプロジェクトで「あの人とコラボしたい」みたいなアイデアが湧きやすかったり、目の前の自分に降ってきたタスクをこなすだけではなくて、「それだったらこういうことをしてみたいです」っていう提案ができやすくなったり。そういう環境を作ってあげることができるのがいいなと思っています。

 さらに、全員と1on1をした後に、誰でもいいから一番話しやすい人を決めてもらって、その人にメンターになってもらうようにしています。なので、斜めのつながりみたいなものが自然にできてるかなと思います。

(三浦)それすごいですね。それってもともとあった施策なんですか。

(山﨑さん)いえ、人事チームで作りました。しっかり運用され始めてから、1年弱経ったところです。

(三浦)メンバー、特にこの1年で入社した方からはどういう声がありましたか?

(山﨑さん)メンバー全員との1on1は、時間はかかるけれども非常に評判がいいです。一人一人の「こういうことがしたい」とか、「このためにやっている」みたいなところを、みんながちゃんと語れるので、後から入ってきたメンバーからすると、一人一人がしっかりと意識を持って、ミッションに向かってやってるんだってことがわかって「自分にも火がつきました」っていう声をもらっています。

オンボーディングの一環として、2か月間、週報を全社に向けて送ってもらっているんですけど、そこに1on1の感想も入ってくるんですよね。「誰と誰から話を聞いたんですけど、この人とこの人はこういうことをやってるってことがわかったから、こうやってコラボしたら面白そう」っていう話が出てきたりもしていて、こちらがやりたいことがちゃんと伝わってるなっていう印象はあります。

(三浦)すごい参考になります。やりたいと思ってもできてなかったところです。ありがとうございます。

強い人事になるために

(三浦)次に、オンボーディングが終わってから、既存のメンバーとのつながりを再現し続けていくための施策ってありますか?

(山﨑さん)そうですね、定期的な1on1の時間は設けています。あとは、それこそつい最近やったんですけど、スキップ1on1というものをやっています。1on1は基本上長と行うことが多いんですけど、その上の階層の人と1on1を行う時間を設けました。

(三浦)今、ツナガルさんの階層って何階層ぐらいですか?

(山﨑さん)人によって若干違うんですけど、ベースとなるのは、メンバーがいて、その上にリーダーがいて、その上に部長、社長って感じです。

(三浦)なるほど。じゃあメンバーが部長陣と1on1をするんですね。緊張もしそうですけどね。

(山﨑さん)そうですね。まだ人数が少ないので、この機会がないとめったに部長陣とは話さないとか、そういう感じではないんです。ただ、オフィシャルに2人の時間を、こっちが取ってあげた方がやりやすい場合もあるなと思っています。

(三浦)確かにそうですね。どれぐらいの頻度でスキップ1on1を行っているんですか?

(山﨑さん)実はスキップ1on1は、前回試験的な意味合いでやり始めたところで、今「スキップ1on1はどうだった?」っていうアンケートを、みんなに配っている最中なんですよね。まだ集計ができてない状態なんですけど、今のところは楽しかったようで、定期的にじゃなくてもいいから、たまにそういうのがあるといいなっていう声が多いイメージですね。

(三浦)なるほど、すごいな。琴実さんって実際の課題をしっかり見据えながら、どうしたらいいかって打ち手を考えてやってみて、アンケートも収集しながら、施策のPDCAを回していますよね。もっとここをこうしたらいいのかなって課題を見つけるために、日頃心がけていることとかやってらっしゃることってあるんですか?

(山﨑さん)そうですね、今の会社の環境として、一応私の上に上長はいるんですけど、それは人事としての上長ではないんですよね。だから、人事としての知見をしっかりと集めなきゃいけないのは自分なんです。なので、課題の見極めとか、課題のセットの仕方とか、そういう調整は自分がしっかりと外からインプットして、知識として持っていないとできないので、セミナーとか書籍とかからちゃんとインプットするようにしています。

 あとは、現場の声と経営層の声をただ聞くだけじゃなく、人事としての持論みたいなものはちゃんと持っておかないといけないなっていうのをすごく感じていて。チームメンバーとも一緒に月1でインプットしたものをお互いに共有し合うっていう時間を設けて、強い人事にならねばっていう気持ちでやっています。

(三浦)時間を設けるっていうのは当たり前のようで当たり前じゃないので、すごいなって思いました。足元のやらないといけないことにどうしても目が向きがちだけど、ちゃんとディスカッションすることも大事ですよね。

ツナガルのリーダー像を示したい

(三浦)今後取り組んでいきたいことはありますか?

(山﨑さん)今までなかなか手がつけられていなかったのは教育の面ですね。経営陣が「俺の背中についてこい」タイプだったので、今その下でメンバーと経営陣の間に入っているマネージャー陣は、「ツナガルのマネージャーは何をしたらいいのか」っていうところが準備されてないままマネージャーになっている部分があって、それは課題ですね。

経営層もどうしたらいいのかわからないから手がつけられていなかった面もあるので、ツナガルのリーダー像みたいなところをセットして、みんなでそっちに向かっていこうぜっていうことを、今後はやっていけたらいいなと思っています。

そのために、人事チームではちょっと長いスパンで「ツナガルはこういう風になりたい、なろうとしている」っていうのを定義して、そこに向かっていくためにこういう手法を考えているよっていうのをメンバーに示すロードマップを作っています。

 (三浦)ちょっと長いってどれぐらいですか?

(山﨑さん)一応人事チームでひいているのは2年です。でも別に2年経ったときにここまで行っていないとダメとか、そういうラインを引いているわけではなくて、例えば、2年後には自分のメンバーがリーダーになっているみたいなイメージのロードマップを引いています。ゆくゆくはこれをマネージャーに向けてではなくて、次期マネージャーのために示していきたいんです。

(三浦)それはいいですね〜。

(山﨑さん)マネージャーになってからでは正直遅いと思っています。ひとまず一回やってみるために、その対象を早めにセットしたくて、そういう意味で2年という時間軸をひいています。

(三浦)なるほどね。その2年後には、今のメンバーたちがもう育っているということも見据えてるんですね。2年だとちょうどいい期間かもしれないですね。

全員がここにいることを選択し続けている組織に

(三浦)最後に琴実さんが描いている、今後のツナガルさんで働く人の理想のあり方を教えてください。

(山﨑さん)そうですね、現状だと目的意識や「これがやりたい」っていうものを持ってるメンバーが多いと思っていて、それはすごくいいなって思っています。

だけど例えば、何かに忙殺されて、ちょっと方向が見えなくなってしまっている時に、「自分のやりたいことってここじゃなくてもできるんじゃないか」と考える人がいたとして、だけど「ここにいたくないから」とかじゃなく冷静に判断して、「自分はこのメンバーでこれを一緒にやる」っていうことを選んでここにいる、メンバー全員がここにいることを選択し続けている状態でありたいですね。

(三浦)ここ”で”じゃなくて、ここ”が”いいと思っているってイメージですね。素敵だなぁ。

(山﨑さん)そうです。会社は箱でしかないっていう考え方ももちろんあって、私も正直その考えに寄っている部分もあるんですよね。だけど、その箱を自分は選択し続けているっていう状態で、みんながツナガルにいてくれたらいいなと思います.

存在意義とか、そういうことを悩むことは全然悪いことではないし、実際にもう何回も考えたメンバーはたくさんいると思うんです。でもそれでもみんなここにい続けてるわけなので。新たにいろんな理由を見つけて居続けるっていう選択をしてくれている状態であると、すごい強みになっていくと思います。

(三浦)素敵だと思います。考える過程でSmart相談室をぜひ活用してください(笑)

(山﨑さん)はい、そのために使わせていただきます!

(三浦)めっちゃ勉強になりました!今日は ありがとうございました!

ツナガルさんの「つ」ポーズ!

編集後記

 実は琴実さんと初めてお会いしたのは約1年前。あれから月日が経ち、こうしてnoteでコラボする日が来たことが光栄でした。
人事として次々と施策のチャレンジをしながら、周囲を巻き込みPDCAを高速回転させる姿は、とにかく強くしなやかのひと言に尽きます。そんな姿勢がツナガル社の組織を活性化させているということが深く理解できました。

 また、理念を組織へ浸透させるというのは、言葉では簡単です。しかしながら、それを全社を巻き込み、定着させ、文化として落としこむまでは難易度が圧倒的に高いです。今回紹介いただいた数々の打ち手は、きっと組織構築や文化形成、理念浸透に悩む多くの企業のヒントになるのではと思います。
最後までご覧いただき、ありがとうございました!

*ツナガルさんにも、Smart相談室の理念浸透についてインタビューいただいています!こちらも読んでみてください!


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