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相談することは甘えじゃない。 〜プロテニスプレーヤー森崎可南子さん特別インタビュー〜

こんにちは!Smart相談室CEOの藤田です。
今回は、「アスリート応援プロジェクト」でサポートしているプロテニスプレーヤーの森崎可南子さんと、プロジェクトにご協力いただいているSmart相談室カウンセラーの岡安一正さんに、アスリートとメンタルヘルスについてお話を伺いました。

写真中央 森崎 可南子(もりさき・かなこ)
プロテニスプレーヤー
所属:橋本総業ホールディングス
出身地:茨城県
公式HP
【戦績】
◎全日本選手権大会(最高戦績)
単:ベスト4(2019)
複:優勝(2017.2019)
混合:準優勝(2017.2019)
◎ユニバーシアード日本代表
単:ベスト8
複:銅メダル
団体:金メダル

写真右 岡安 一正(おかやす・かずまさ)

Smart相談室カウンセラー/アスユメLabo.代表
1971年、東京生まれ。元アルペンスキー選手。16歳でスポーツショップ2社とのスポンサーシップ契約を締結。駒澤大学競技スキー部時代に大会中のケガが原因で現役を引退。その後はコーチに転向し、大学卒業後もパラスキーチームを中心に多くのアスリートをサポート。1996年、ソニーロジスティックス株式会社に入社。2003年、ソニーテクノクリエイト株式会社に移籍 。事業戦略室(社長室)にてソニーの人材戦略、人材開発などを担当。2020年、プロモーションアナリストとしてマクドナルド(HAVIサプライチェーン・ソリューションズ・ジャパン合同会社)に転職。2022年3月 、キャリアコンサルタントとして独立。アスユメLabo.として事業をスタート。美容系専門学校キャリア心理学講師に就任。11月、スポーツ庁キャリアセンターアスリートキャリアコーディネーター選任。

*アスリート応援プロジェクトとは

 頑張る人たちをSmart相談室によってサポートしたいとの想いから発足したプロジェクト。 特に、日本スポーツ界が課題として抱えている現役アスリートのメンタルヘルス対策やキャリア支援、引退アスリートのセカンドキャリア支援を、カウンセリングを通して積極的に推進する新しい取り組みです。支援アスリートに対して「Smart相談室」のカウンセラー相談を無償で提供しています。
発足の想いは以下で語っています。


アスリートも普通の個人

(藤田)今日はよろしくお願いします!テニスをやっている方とお話をすると、「森崎さんはいろいろやってる選手ですよ」ってよく言われるんですよ。活動の幅が広いみたいな。テニスに限らず、どんなことをされているか教えてください。

(森崎さん)プロテニスプレーヤーとしての活動のほかに、今はSNS運用とライターをメインでやらせていただいています。あとは「テニスブリッジ」というプロジェクトを立ち上げて全国各地でイベントをさせていただいてます。

(藤田)ご活躍中ですね。ありがとうございます。
岡安さんとの関係性について伺いたいのですが、そもそもお2人はお知り合いですよね?どういうご関係なんですか?

(岡安さん)きっかけはなにか相談をもらった感じだったかな。横浜で会ったのが最初でしたね。

(森崎さん)横浜で初めてお会いして、スポーツっていう共通点があったのでいろいろと相談させていただいて、それからずっとお世話になってます。

(藤田)今回森崎さんはアスリート応援プロジェクトに参加いただいているのですが、その背景を教えてください。

(岡安さん)私はカウンセラーとして、これまで選手の相談や悩み事をいろいろ聞いていました。でもアスリートってお金なかったりとか、いろんな事情があるので、普通のクライアントとして相談にのることが難しくて。そうすると、しっかり聞いてあげたいんだけど僕の方にも制約がかかってしまったり、選手の方は逆に気を使ってしまって話してくれないっていう悩みがありました。

 私はSmart相談室のカウンセラーとしても活動しているので、藤田さんといろいろお話をさせていただく中で、今回のプロジェクトについてお話しいただきました。それならば、今世界中を飛び回っている森崎選手にぜひ使ってもらいたいなと思ってお声がけしました。Smart相談室のおかげで、今まで遠慮して言えなかったことも言ってもらえるようになったのではと思っています。

(藤田)僕からすると森崎選手はすごく活躍されていて、いわゆるプロなので、あんまりカウンセリングとかは必要じゃないのかなとも思っていて。メンタル問題とか言われますけど、華やかでバリバリ第一線で活躍されてるし。やっぱり相談できる場は必要なんですか?

(森崎さん)必要です。テニスって個人競技ですし、私自身も自分で抱え込んじゃうタイプなので、抱え込みすぎて「テニスやめたいな」って思う時期もあったんです。そのときにもいろいろ相談させていただいて、テニスのことから個人的なことまで全部。でもやっぱり話すと本当に楽になるんですよね。「自分ってこう思ってたんだ」とかそういう発見にもなるので、本当にありがたいです。パパみたいな存在ですね。

Smart相談室は、ほっとできる場所

(藤田)Smart相談室を使ってみて、いかがですか?

(森崎さん)相談できる場所があるっていうことが本当にありがたいですし、岡安さんと気軽に話せる場ができたというのもありがたいです。帰れる場所というか、ほっとできる場所があるっていうのが私にとってもすごくいいことですね。

海外を飛び回っていると、全然違う環境・文化のなかで疲れてしまって、「自分の帰る場所はどこなんだろう」って感じてしまう時もあるんです。そんな時に岡安さんに相談すると、初心に立ち戻れたり、モヤモヤを解消できたりするんです。本当に皆さんにも使っていただきたいですね。

(藤田)僕たちは報道を通じてプロアスリートを知るんですけども、プロアスリートもいわゆる普通の個人ですもんね。今お話を聞いていてそれをすごく感じました。
アスリートとしての部分以外で、岡安さんに相談していることはありますか?

(森崎さん)テニス以外の活動をする時に、テニスしかやってこなかったので、本当にもう何をどうしたらいいのかが分からない状態になることがあります。そういう時には岡安さんにすぐ相談しようって思いますね。

(藤田)逆に、テニスのことも相談されるんですか?

(森崎さん)はい、してます。もう本当に辛くて無理だってなったときに、大丈夫だよって優しく声をかけていただいたことも何回かあって。

「大丈夫」って言ってもらえることもあんまりなかったりするんです。やっぱり見せないようにするんですよね、周りもライバルばかりですし、弱い部分を見せると甘えになっちゃうんじゃないかなとか考えてしまって。相手にも弱みにつけ込まれちゃうこともあるので、外に出せなくて。そういうところを見せることができるのが岡安さんなので、本当にありがたいです。

日本スポーツ界のメンタルヘルスケア

(藤田)報道で、例えば有名なサッカー選手とかはメンタルコントロールみたいなものをしてるのかなっていうのは分かるので、日本の選手もしてるもんなのかなって思ってるんですけども、そういうわけじゃないんですか?

(岡安さん)トップアスリートはちゃんとメンタルトレーナーがついてるんですけど、メンタルトレーナーってその競技に対するメンタルの部分だけで、競技以外のオフの部分のトレーナーってほぼ聞いたことがなくて。ここにすごく困ってる選手が多いっていうのは本当に肌でやっぱり感じてるところなんですね。

森崎さんも、テニスの技術やモチベーションの部分ももちろんあるんですけど、大事なのはオフの時にどれだけリラックスできるかとか、いかにリフレッシュするかという部分だと思っていて。そこができるとモチベーションなどもかなり違ってくるかなと思うので、必要性を感じているんですけど、おそらく国内でそのあたりがきちんとシステム化できてるところはまずないのかなと思います。

(藤田)仮にそういう仕組みであったり考え方が根付いてくると、日本における競技の質とか内容とか捉え方とかは変わると思いますか?

(森崎さん)変わると思います。やっぱり海外ではアスリートのメンタルケアが普通に取り入れられているので、日本がそこはちょっと遅れているなっていう風に感じます。私も含めてですけど、いろんなアスリートにSmart相談室を活用して、メンタルケアに取り組んでほしいなと思います。

相談は「意外といけちゃうよ!」

(藤田)アスリートに限らず、一般的に相談する文化はあまりないなと感じています。これはどういう風にすれば変わっていくと思いますか?

(森崎さん)すごい難しい質問!(笑)でも、私もやっぱり最初は相談することに抵抗ありました。「頼る=甘える」みたいに捉えちゃうんですよね。アスリートは特にそうなのかなって思うんですけど、自分が努力してきたからこそ甘えとか弱みを見せたくないって思っちゃってて。なのですごい抵抗はあったんですけど、それを取り除けたのはテニス関係以外のいろんな人とお会いしてからかなっていう風に思っています。

岡安さんとかいろんな方とお話すると、自分の言葉でいろいろしゃべるので、自分の知らなかった自分を発見したり、「自分って本当はこう思ってたんだ」「じゃあもっとこうでもいいんだ」っていうことをちょっとずつ紐解くことができました。これが抵抗がなくなったきっかけかなと思います。

(藤田)今は相談することにあまり抵抗はないと思うんですけど、当時の自分に対してアドバイスをするとしたらどうしますか?

(森崎さん)難しいですね。でも一歩の勇気だと思うんですよね、本当に。「意外といけちゃうよ」ってなんか軽いノリで言うかもしれないです、私なら。「意外といけちゃうから大丈夫!大丈夫!」みたいな軽い感じで。

(藤田)幼い頃は一緒に遊ぶ友達とかに対して、今じゃ人には言えないようなことでも言っていたような気がして。その気持ちのまま大きくなっていけば良かったものを、どこかで「あんまりこれは言っちゃダメなんじゃないか」とか「これ言ったら評価が下がっちゃうんじゃないか」とか、そういう風に思う経験がブレーキをかけてるような気がするんですよね。やっぱりスポーツ選手でもそういうのあるんですね。

(森崎さん)あります。本当にブレーキだらけだと思います。

アスリート特有の悩み

(藤田)岡安さんはカウンセラーとしていろいろな方の相談も受けていると思うんですけども、アスリートとそれ以外の方で分けた時に共通点はありますか?

(岡安さん)そうですね、自分に殻を作ってる方が非常に多いなっていうのはみなさんに感じています。で、その殻がアスリートはさらに厚く作り上げられてると感じます。「強くなきゃいけない」「強い自分でいる」「後輩からは尊敬されなければならない」とか、アスリートは特にそういう思い込みがあるので。
逆に一般企業の社員さんでも「ねばならない」思考が強い方もいます。どちらに対しても、1枚ずつ殻を剥いでいってあげて、本当の自分を探ってあげられるといいかなっていうのはほぼ変わらないです。ただ殻の硬さがアスリートはちょっと硬いっていうイメージではありますが。

(藤田)逆に、まったく違う部分はありますか?

(岡安さん)そうですね、やっぱりこだわりの強さはアスリートの方がめちゃめちゃ強いですね。森崎さんでも頑固だなっていうところもやっぱりあったりとかもしますんで(笑)頑固でこだわりがあるからトッププレイヤーになれるっていうのももちろんすごく分かるんですけど。
僕が課題に思っているのは、引退した後もその頑固さが残っちゃってる選手が多いことです。そこはマインドチェンジというか、もっとリラックスして大丈夫だよっていうの伝えるようカウンセリングでは心がけていますね。

(藤田)岡安さんにとってアスリートや頑張る人をサポートすることは、どういう意味があるんですか?

(岡安さん)僕はアルペンスキーの選手だったんですけど、実は20歳で怪我をして競技生活がそこで終わっちゃってるんですよね。すごく辛い思いをして、それがトラウマでずっと残っていて、今こういう形でカウンセラーをやっています。同じように挫折したり、いろんな事情で競技を続けられなくなったりした後輩たちをいっぱい見てきているので、そういう方たちの力になりたいです。

あと、アスリートって思い込みが激しいので落ちると徹底的に落ちるんですよね。競技が続けられなくても、僕みたいにカウンセラーっていう道もありますし、スポーツ業界に残ってコーチ・監督っていう選択肢もあります。「いろんな選択肢があるんだよ」「大丈夫だよ」っていうのを伝えたくて活動しています。

*岡安さんの想いはこちらのnoteでも語っています。

モヤモヤしたら、一歩踏み出して

(藤田)森崎さんから、モヤモヤしてるアスリートや悩んでるアスリートへのメッセージをお願いします。

(森崎さん)先ほども言ったんですけど、一歩踏み出しちゃえばなんとかなるだよっていうのは本当に伝えたいです。それでも頼れない方もいると思うんですけど、そういう時にこそ1回頼ってみるっていうのもいいと思いますし、それは本当に甘えじゃないんだよっていうことは伝えたいです。

(藤田)ありがとうございます。
では最後に、ファンの方へのメッセージを含めて、目標や成し遂げたいことを教えてください。

(森崎さん)まずテニスでは、グランドスラム4大大会に出場が目標です。テニス以外のところでは、私自身もいろいろ悩んできたので、悩んでる後輩だったり、アスリートのみなさんの力になりたいですし、そういうモデルにもなっていきたいなっと思っています。私も頑張っていくので皆さんも頑張りましょう!

(藤田)頑張りましょう!では本日はお2人にお越しいただいた特別回でした。ありがとうございました!

*Youtubeではインタビュー動画を公開しています!ぜひご覧ください。


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