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組織変更の裏側を聞いてみた 〜人事制度のPDCA〜

こんにちは!広報担当の宮田です。
Smart相談室では半年ごとに人事制度のPDCAをまわしています。
2023年7月から運用開始し、2024年1月に一度目の改訂。そして、この7月には二度目の改訂が行われました。
今回はその改訂の内容と背景について、CEOの藤田さんにインタビューをしてきました!

*一度目の改訂の裏側はこちらのnoteで公開しています


組織の成長のために、目標とメンバーの想いをリンクさせる

(宮田)よろしくお願いします!まずは、今回の人事制度改訂の目的を教えてください。

(藤田さん)実態に合わせつつ、さらなる成長のための変更ですね。成長していくために、組織構造マネジメントに求める姿を明確にしなきゃいけないと思い、今回は大きく以下4つの改訂を行いました。

改訂1:組織階層と役職
改訂2:期待値の明確化
改訂3:評価責任の明確化
改訂4:昇給、昇格の整理

組織が大きくなると、組織階層は増えていきますよね。でも組織階層がふえすぎるのはあんまり良くなくて、少ないほうがいい。
また、組織が大きくなるにつれて、マネージャーがマネジメントする人数も増えていく。これもあんまり良くないんですね。
この2つって矛盾するんですけど、そのバランスをうまくとりながら設計していくことが重要です。

現状だと、マネジメントの兼務が多く、専門性の向上とスピードアップができていないことが課題でした。でも、マネジメントの兼務をなくそうと思うと、さらに階層ができて、階層をマネジメントする人も必要になります。

そうなると、このマネジメントする人たちはどういう人だということを言語化しないと、全然違うスキルを持った人が昇格したり、適切な人が昇格できなかったりしてしまう。それを統一しないといけないので、期待値の言語化をしたんです。

 でも一方で、それって制度面だけでの話だから、それを運用してみて個人が頑張れなきゃいけないですよね。
個人が頑張れるようにするために、等級制度のグレードを分割して増やしたり、評価制度の運用を明確にしたりなどの変更も行いました。

(宮田)それは以前の記事で書かれていた

個人的な意見ですが、組織の成長を支えるためには「わかりやすく、VMVや目標とメンバーの想いがリンクすること」が一番大切だと思っています。

https://note.smart-sou.co.jp/n/n1e188d297f87

というところにつながってくるんですかね?

(藤田さん)そうです。今回は特に目標とメンバーの想いがリンクするところですね。そもそも今の段階では、目標と事業戦略はみんな一致してると思うので、ここに大きな問題はないと思うんですけど、もっと具体的な部分で見えている課題に対して、運用=変更しています。

6か月でPDCAを回している、Smart相談室の人事制度

(宮田)改訂のプロセスとして、昨年の12月から、メンバーからのインプットを行っていたということですが、これはどういうことでしょうか?

(藤田さん)まず、Smart相談室は半年ごとに人事制度を運用・改訂しています。今回でいうと、昨年の12月に、今年の1月から6月で運用した人材マネジメントシステムの発表をしました。

発表と同時にメンバーから意見をもらうんですね。フィードバックを受けた段階ですぐに変えた方がいい内容のものではなくて、新しく変えたものに対して、「自分の将来を考えたらこうなるんじゃないか?」みたいなインプットをすごくもらうんです。つまり、発表した直後から、次の改訂に向けたインプットをしていたということです。

(宮田)なるほど、そういう意味ですね。人事制度の発表はPDCAの一環であって、これからはこのシステムで絶対にやるぞって決めて発表しているわけではなく、運用・変更しながらより良くしていくっていうのをずっと繰り返しているんですね。

(藤田さん)そうです。一応改訂するのは6か月ごとなんですけど、その間に問題点などを貯めているんです。

見えてきた課題に対する今回のアクションとは

(宮田)なるほど、理解できました。で、本格的に変更を検討し始めたのは今年の4月ごろなんですね。

(藤田)そうです。フィードバックが12月から4月くらいまで結構来るんですよね。で、ある程度貯まったら議論できます。
7月から変えようと思うと、6月には決まっていなきゃいけないので、それを考えて4月ぐらいから徐々に話し始めましたね。

(宮田)1月から4月ぐらいまで運用してみて、どこが一番課題として大きかったんですか?

(藤田さん)今回の変更は、2つの課題を解決するために行われています。
一つ目は、組織が大きくなるにつれて、マネージャーの兼務が増えていたことです。ぶっちゃけ仕事量は多いし、でも兼務でやってると一つの領域にかける時間は相対的には減ってしまいます。そういう部分でスピードが落ちたり、専門性が発揮されなかったりすることは課題でした。

二つ目が、現状マネジメントよりメンバーの方が多いんですね。一定のグレードのところに結構な人数がいるんです。その人たちのなかから、マネージャーが育成されていかなきゃいけない。であれば、その人たちがマネージャーになるためのステップを踏んでいくような設計がなければならないけど、現状ないことが課題でしたね。

(宮田)なるほど。それで今回新しくチーフという役職ができたんですね。

組織階層と役職

(藤田さん)そうです。チーフが新設されて、その役職を境にグレードも分けました。

(宮田)4段階だったグレードが、今回の変更で5段階になりましたね。
前回の記事では、

現在のSmart相談室の等級制度は4段階です。等級は、お給料や評価に紐づくので影響範囲が広いです。早めに階段を多く作っておくのか都度調整するのか、悩みどころですが、Smart相談室では社員数70-80名くらいまでは4段階で運用できると考えています。その後は8段階くらい(未定)にして500名くらいまで対応できればなぁと考えています。

https://note.smart-sou.co.jp/n/n1e188d297f87

とのことでしたが、この過程のひとつとして、今回の変更があるんでしょうか?

(藤田さん)そうですね。以前の記事を出した時点で、500名8段階っていうのは明確なラインに乗って見えてます。それに向けて徐々に形を変えて運用していってますね。

グレードの要件をみてもらうと、レイヤーによって見てる時間軸が分かれていたり、戦略の立案をするのか、実行だけなのかという行動が違っていたり、マネジメントの人数が定義されていたりするのがわかると思います。それがマネジメントの範囲や責任の範疇を規定しているんですね。なので、すでに8段階を見越した設計にしています。

チーフに期待すること

(宮田)今回の変更で、新しく4名がチーフになりましたね。チーフに期待することを教えてください。

(藤田さん)二つあります。一つは評価を含めたピープルマネジメントを経験してもらうことです。市場をみると、人材育成やプロジェクトのマネジメントをしたことがあるという人はいるんですが、メンバーの目標設定・評価や報酬決定までやったことがある人材って言われると結構減ってくるんですね。なので、そのあたりのことを経験して成長してほしいというのが一つです。
もう一つは、その領域に対して専門性を持って戦略立案をぜひしてほしいというふうに思っています。

(宮田)戦略立案っていうのは、どのレベルの戦略ですか?

(藤田さん)自分が持つ範囲ですね。それぞれの領域は決まってるので、その領域内でできる戦略を立てていくことを期待しています。

(宮田)その部分にも関連して、個人的に気になったんですけど、今回の変更でマネジメントに求める能力が、結構詳細に決められましたよね。これってもともとあったものもあると思うんですけど、どういう背景でこの内容になったのかを教えてください。

(藤田さん)私が必要だなって思うことを、まず付箋にどんどん書いていって、整理しながらまとめました。マネジメントに期待する能力の定義から先にたくさん出して、それからそれに名前をつける形でまとめていきましたね。で、付箋をグルーピングしながら、基本、管理、組織、トップ、経営の5つに最終的にまとめています。
この名前の部分はいろんなものを参考にして、みんなに定着しやすいかつダイレクトに伝わるようなフレーズにしています。例えば「ラストマンシップ」とかは自分では作り出せない言葉ですね(笑)

(宮田)そうですね(笑)でも大事ですからね、言葉って。

(藤田さん)そうですよ。で、これを複数の人に見せて、 意味が通じてるのか?みたいな部分をチェックをしてもらいましたね。

Smart相談室独自の組織:カウンセラー事務局

(宮田)あともう一つ大きな変更としては、もともとコーポレートのなかにあったカウンセラー事務局を今回組織として独立させました。その背景を教えてください。

Smart相談室の組織図 変更前
Smart相談室の組織図 変更後

(藤田さん)理由としては二つあります。
一つは、明らかに既存の一般的なビジネスモデル上の組織論、いわゆる機能別組織の機能に当てはまらない機能だと思ったからです。

(宮田)具体的に言うと、どういうことでしょうか?

(藤田さん)一般に機能別組織の機能って言われるものには、営業とか人事とかファイナンスとかいろいろあると思います。でもどの企業にもカウンセラー事務局なんてものはないですよね。だから、そもそも既存の機能に入れ込むっていうのが違うのではないかって思ったんですね。

そして、独立させたもう一つの理由は、会社内においても中立な立場というか、独立した意思決定ができる状態にしたかったからです。独自のガバナンスが効いている組織というイメージで切り出しました。他の機能から影響を受けさせたくなかったんです。

(宮田)それはなぜですか?

(藤田さん)基本的には相談者さんに向かって中立であるというか、カウンセリング業務とか対人支援業務に対して中立でありたいと思ってるんです。
そこに営業的視点とか開発的視点をなるべく入れたくないなと思った結果、独立させたほうがいいだろうと判断しました。

評価シートには絶対の自信がある

(宮田)今回いろいろ変更があったなかでも、変わらなかった部分についてお聞きしたいです。以前の記事の中でも言及されていた評価シートの作り方の部分、つまり、キャリアパスから月次の行動に落として、その達成をマネジメントしていくという部分は今回も変わってないと思うんですけど、その部分はどうですか?

(藤田さん)そうですね、考え方としては変える必要はないと思いますね。ただ、現状エクセル運用で工数が結構かかるのはまずいなっていうインプットはあります。

(宮田)なるほど、運用の仕方としてはそんなに変わる必要はないという状況なんですね。

(藤田さん)実は人事制度のなかでも、一番初めにできたのが今運用している評価シートなんですよ。そのころから内容は変わってないんですよね、ずっと。

(宮田)ずっとっていつからですか?

(藤田さん)もう2年以上変わってないです。そもそも評価シートが一番初めで、これには揺るぎない自信があるというか、考え方としてはいいと思ってるんですよね。
そもそも個人がやりたいことがあって、それと会社のやってほしいことをミックスさせながら目標設定して、その目標設定に対して自分自身とマネージャー陣が評価するっていうやり方はいいなと思っているんです。

(宮田)最初に話していた、「個人が頑張れるかどうか」という部分にもつながってきますね。他にも今回は変更しなかった部分はありますか?

(藤田さん)そうですね、現状できていないのは、複線型人事制度の採用ですかね。個人としては複線型にしたほうがいいとは思いつつ、現状そこまでの必要性がないので、今の評価方法では対応が難しい社員、例えばSmartHRに出向しているなどの場合は、グレードの要件などに囚われすぎず、状況に応じて評価をしています。

(宮田)そうなんですね。ではそこはまた大きくなるにつれて変わっていく部分になるっていうことですね。

(藤田さん)そうです。今回新しい人事制度を発表しましたが、半年後に向けてまたPDCAを回し始めています。これからヒアリングも行っていきますし、またどんどん変えて運用して、さらなる成長につながる制度をつくっていきます!


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