中小企業の経営者にコーチングできるコーチを育てる 〜CBLコーチングスクール〜
こんにちは!Smart相談室CEOの藤田です。
この記事は連載企画「『コーチングとはなにか?』ICF認定スクールに聞いてみた」の一環として、CBLコーチングスクールの五十嵐久代表にインタビュー取材させていただいた内容をまとめたものです。
コーチングの力で中小企業の経営を応援したい
(藤田)こんにちは!今日はよろしくお願いします。まずは簡単に自己紹介をお願いします。
(五十嵐さん)株式会社コーチビジネス研究所という会社をやらせていただいております。
株式会社コーチビジネス研究所では、大きく3つの仕事を行っています。
1つ目は、主に経営者の方や経営幹部の方を対象に、1対1でコーチングを提供させていただく、いわゆるエグゼクティブコーチングの仕事ですね。
2つ目は、企業さん、団体さんの人材育成研修のお手伝いをさせていただいています。こちらは、コーチングを用いた人材育成とマネジメント育成になります。
3つ目は、これからプロのコーチになりたい方、特にエグゼクティブコーチを目指したい方の向けのコーチングスクールの運営です。
全てコーチングに関すること、企業経営に関わることです。
なぜ私がこんな仕事をするようになったのかといいますと、私は新潟県の雪深いところで生まれ育ったんですが、雪が苦手で、東京の青空に憧れていました。なので、東京へ出たかったんですが、親からは「東京の大学に行くのは勝手だけど、お金がないから行きたいなら、自分で稼いでいけ」って言われて、高校の先生に相談したところ、新聞奨学生制度っていうのがあるよって教えてくれたんです。それで東京の文京区白山にある新聞販売店で住み込みで働きながら大学に通いました。
当時、私が担当しているエリアは文京区の小石川というところで、中小の印刷製本会社が集積をしている地域だったんです。そこで、大変な四年間でしたが、担当させていただいた地域の皆さんには、とても温かく親切にしていただきました。それがご縁で、中小企業を応援する仕事がしたいと思って大学卒業以来、中小企業支援一筋に仕事をしています。
コーチングの経営に対するインパクトを実感して、スクールを設立した
(藤田)はじめは、中小企業への経営コンサルをしていたということでしょうか?
(五十嵐さん)そうです。最初は公的な中小企業支援機関に勤めて、30歳の時に中小企業診断士という資格をとって、さまざまな経営者さまのご相談にのらせてもらいました。
その後、徐々にコンサルティングの限界を感じ始めたと同時に、多くの経営者の方にお会いするうちに人材育成や社員教育がすごく大事だということに気づき、さまざまな教育手法を学ぶ中で、コーチングに出会いました。かれこれ20年以上になります。
クライアント企業さまに、「コーチングを活用したコミュニケーションを取り入れてから、業績の変化が見えやすくなった」と言ってもらえること、何よりもそのことを感謝されることが増えました。そこで、コーチングの考え方やスキルを、もっと多くの人に知ってもらいたいなと思って、10数年前からコーチを育てる、いわゆるコーチングスクールの仕事もさせていただいています。それが「CBLコーチングスクール」です。
ICFに準拠しながらエグゼクティブコーチングに特化した独自のプログラムを展開している
(藤田)CBLコーチングスクールさんの思うコーチングは、どのようなものでしょうか?
(五十嵐さん)コーチング自体は、ICFのコーチングの定義、倫理規定に基づいて説明させていただいています。なので、
となります。実は私、コーチになるために、これまで全部で7つのスクールで学んでいます。ICF標準のコーチングを基本に、各スクールの良さも取り入れながら、長年の中小企業支援の経験を活かして独自のプログラムで展開しています。
自分でスクールを立ち上げてコーチングを教えるというのであれば、他のスクールはどういうことを教えているのか、どのような特徴があるのかということを知らなければならないと思い、さまざまなスクールで学ばせていただきました。そういう意味では、複数のスクールさんで学ばせていただいた経験は宝物です。
「経営者にコーチングできるコーチを育てる」カリキュラムとしてオリジナル
(藤田)五十嵐さんの内面から、CBLコーチングスクールさんのオリジナルなメソッドが生まれたということですね。
(五十嵐さん)そうですね。特に当時は、「エグゼクティブコーチング」を教えているスクールがありませんでした。私は「中小企業を応援したい」という想いからスクールを設立していますから「経営者にコーチングできるコーチを育てる」カリキュラムとして、オリジナルなものを創りました。
(藤田)特に影響を受けているコーチングの要素はありますか?
(五十嵐さん)月並みですが、自己基盤についての概念ですね。やはりコーチとして一番大事なのは、自己基盤と言われているものです。人間性とか人間力と言われることもありますが、自己基盤をいかに確立していくかがとても大切です。
CBLコーチングスクールは、エグゼクティブコーチを育てたいんです。エグゼクティブコーチを育成して、その方々が、たくさんの「幸せ創造企業」を増やし、支援していくことが、CBLコーチングスクールがコーチを育成する目的です。そのためにもコーチ自身の自己基盤をしっかりと整える必要があるんです。
(藤田)「幸せ創造企業」とはなんですか?
(五十嵐さん)「人を大切にすることで幸せになる企業」のことです。「人を最も大切にする企業が最も幸せになる」という概念を元にして作られた造語が「幸せ創造企業」です。「幸せ創造企業」を実現していくために、それを支援できるコーチを育成していくという想いです。
私はコーチングの最終的な目的は、どんなコーチであれ、Well-Beingの実現にあると考えています。目標達成のため、課題解決のため、行動変容を促すため、などいろいろと言われますが、最終的なゴールというのは一人一人のWell-Beingの実現にあります。
(藤田)昔から、そう考えられていたんですか?
(五十嵐さん)そうですね、少なくとも十数年前から考えて、言葉にしてますね。
(藤田)元来、そういった想いをお持ちだったんですね。
スクールのカリキュラムとして「経営の心」を学ぶ
(藤田)中小企業さまを応援する意味合いも、イメージできます。
(五十嵐さん)そういった背景から、CBLコーチングスクールの特徴は、中小企業の経営者にコーチングできるコーチを育てる、エグゼクティブコーチングができるようになることに特化してるんですね。
カリキュラムは、全8科目、1科目12時間、8科目で96時間です。各科目の間に実際に、コーチングセッションの練習をしていただく時間を取り入れて、1つのコースとして設定されています。運営上の工夫として、先輩コーチからのコーチングを受けていただく「メンターコーチ制度」やクラスメイト同士でコーチングを行う「バディセッション実践練習会」というものもあります。コーチングスキルを学ぶ、実際にやってみる、自分もコーチをつけてコーチングを受けてみる、その3つをカリキュラムの中に入れ込んでいます。
8科目96時間についてですが、1〜4科目までがコーチングの基本を学んでいただく内容になっています、ここは多くのスクールで教えているものと大差ないですが、4科目が「自己基盤」に関する部分です。「プレゼンス強化講座」と銘打って、特に力を入れている科目です。5科目からが、CBLコーチングスクール独自のプログラムになっています。
こちらは、完全にCBLオリジナルの講座で、他社ではやっていない内容になっています。経営者にコーチングをしていくことを前提に、さまざまな事例を用いて、経営者に対してどうコーチングをしていったらいいのかを学んでいきます。経営者個人の考え方、組織活性化、ビジョン浸透、経営手法などを学んでいきます。
最後に、コーチとして独立して生計を立てて行くためのプランの立て方、マーケティング方法、ご自身のポジショニング、商品設計などを学びます。
経営者の哲学、理念、パーパスなどを重視
(藤田)「経営の心」気になります。どのような内容なのでしょうか?
(五十嵐さん)経営者をコーチングしていく上で、経営者がどんな考え方でその経営をしているのかを理解する必要があります。経営の結果として「幸せ創造企業」を作っていくお手伝いをするので、経営者の哲学、理念、パーパスなどを重視しています。
例えば、京セラの稲盛さんの『心』をベースにした経営、ドラッカーの『ドラッカーマネジメント』などのような考え方です。それらの考え方を例示としながら、クライアントである経営者がどのようなことを考えているのかを明らかにしていくんです。そのための学びです。
(藤田)なかには、クライアントの仕事のことを知らなくてもコーチングはできる、という方もおられますが、なにかお考えはありますか?
(五十嵐)エグゼクティブコーチを名乗っている方の中でも、コーチ自身に経営の経験がないとコーチングができないとおっしゃられる方はおられますよね。ですが、私は、クライアントの仕事に関する知識とか経験がなくてもコーチングが出来ると思います。また、そこにコーチングの本質があると思います。
ただ、経営者と対峙していくときに、経営者の考え方に共感をしていくことは必要だと思います。そのためには、経営者と同じ目線に立つ必要がある。そのために、ある程度の学びが必要です。
経営者自身がコーチングを学ぶことが有効
(藤田)コーチとして大切にしてほしいことはありますか?
(五十嵐さん)コーチとしての「あり方」が大切だと思います。コーチとしての振る舞いから言動、考え方、それがあって初めてコーチングができます。単なるスキルとしてのコーチングを学んでコーチングをするのではなく、コーチングスキルを使うコーチ自身が大切なんですね。
特に、CBLコーチングスクールでは、経営者に対してコーチングします。コーチングスキルのみならず、コーチの前に一人の人間として向き合っていく必要があります。
また、中小企業の経営者の場合は、経営者の影響力がダイレクトに組織全体や業績に現れます。そう考えると、経営者がコーチングを理解しコーチングを学んだりその考え方を取り入れていくことも非常に有効でしょう。会社全体が良くなっていく、社員との接し方だけでなく取引先とか外部の方とのコミュニケーションも含め、経営者自身のあり方にも大きく影響していきます。それが結果的に、企業の成長につながっていくと確信しています。経営者の皆さんにコーチング思考の重要性をお伝えしたいと思い、最近『コーチング思考』という本も出版しました。一読いただけたら幸いです。
(藤田)とても勉強になりました、ありがとうございました!
インタビュイー紹介
CBLコーチングスクールについて
“経営者一人一人にコーチを”というビジョンを掲げ、エグゼクティブコーチの養成に取り組んでいます。弊社が大切にしているものは、『真』『善』『美』です。本物のコーチを育てるため、プロコーチになるまで責任をもって伴走します。国際コーチング連盟認定プロフェッショナルコーチ並びにJEA認定エグゼクティブコーチの資格取得ができます。詳細は下記ホームページからご確認ください。
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