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【特別座談会】「国際男性デー」に合わせて、男性ならではの困難について話してみた

 こんにちは!広報担当の宮田です。
突然ですがみなさん、毎年11月19日が「国際男性デー(International Men's Day)」だと知っていますか? 今回は国際男性デーに合わせて、「男性が職場で直面する可能性のある課題について、みんなで考えてみよう!」という企画をお送りします。


11月19日は「国際男性デー」

 3月8日の「国際女性デー」を聞いたことがある人は多いかもしれませんね。黄色いミモザの花をシンボルとして、女性を称える日として世界各地に広まっています。もともとは女性の権利を守りジェンダー平等を目指すため、1975年に国連によって制定されました。

「国際的な女性のための日はあるのに、男性版はないのか?」といった声があり、男性の日も検討されてきました。そして1999年、カリブ海のトリニダード・トバゴ共和国で「国際男性デー」が形になり、しだいに各国の支持を得るようになりました。

働く男性の半数以上が“男性であるがゆえの困難”を経験

 Indeedの調査によると、働く男性の54.6%(半数以上!)が「職場における“男性であるがゆえの困難”」を経験したことがあるそうです。

参照:https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000127.000028842.html

「男らしさ」という慣習的なイメージや、「男性だから⋯⋯」というアンコンシャス・バイアス(無意識の偏見)には具体的にどんなものがあり、働く男性たちはどのように感じているのでしょうか?

本音を探るべく、Smart相談室で働く男性社員に集まってもらい、座談会を開催しました!参加者は、それぞれ異なる部署に所属する30代の既婚男性3名。ありのままを語ってもらうため、匿名(Uさん、Kさん、Tさん)でお送りします。

※ 多様な視点があるなかで、今回の参加者は自身や周りの方の経験を語ってくれました。一つの立場、視点での経験談としてご覧ください。

「長男だから」というプレッシャー

(Uさん)男性ならではの悩みとか生きづらさって、あんまり意識したことないかも……。おふたりは何か感じたことありますか?

(Kさん)僕たちの世代はそうでもないけど、父親や母親には「男だから」「女だから」という意識があった気がしますね。「男が働きに出て女は家を守る」みたいな。僕自身も小さい頃、「男の子は強くないと」ということで空手を習わされたし、ケンカに負けるなって言われてました。

(Tさん)僕は次男なんですけど、兄には「長男だから家を継がないといけない」というプレッシャーがあるみたいです。「結婚式にはお世話になっているご近所さんをみんな呼ばないといけない」という風習が残っているような地域なので。

(Uさん)そういう「長男問題」みたいなのはありますね。うちではお墓の管理が問題になっています。代々のお墓がアクセスの悪い場所にあって、うちから車で3〜4時間かかるんですよ。父が長男で、僕もその長男なので引き継いだんですけど、僕にはこどもがいないのでこの先は誰が管理するんだろうっていう……。

(Kさん)なるほど。僕も長男なのでわかります。なんでもかんでも長男がやるっていうの、何なんだろう……。特に父親世代はそういう問題が多かった印象ですね。でもジェンダー問題って、最近は薄れてきているのかな?「男性」「女性」っていう区別がグラデーションになってきているというか。

(Uさん)この後の世代ぐらいでなくなりそうな気もしますね。ジェンダーレスが進んで、長男の役割の縛りもなくなっていくんじゃないかな。

男性が働いて稼ぐのが当たり前?

(Kさん)僕は地方出身なんですけど、地元では「男が働いて、女は家で子育て」みたいな雰囲気がいまだにあります。僕も昔は「男が頑張って稼がないと」と思ってたかも。今はそれほどでもないですけど。

(Uさん)僕も結婚する前は思ってました。周りからそういうふうに見られる雰囲気があったので。地方にいると感じやすいかもしれませんね。

(Kさん)郊外で人が少ないと多様性が広がりにくくて、親世代の思想や行動をそのまま引き継ぎやすいのかもしれませんね。

自殺率は男性が女性の2倍以上高いらしいんですけど、男性のほうがプレッシャーをかけられやすいとか感じやすいとかあるんでしょうか? 男性のほうが長時間労働が多い傾向にあって、追い詰められたりとか。

(Uさん)結婚してこどもがいて、自分だけ働いてるみたいな環境だったら、責任感をすごく感じて病んでしまうみたいなのはありそう。性格によるけど、「自分が働かないとこどもも大変な目にあう」ってなったらキツいかもしれませんね。

(Tさん)男性が金銭的な負担をして当然みたいな感じはありますよね。マッチングアプリで知り合った女性と飲みに行ったことがあるんですけど、お会計で「多めに出します」と言ったら、「全部払わないの?」みたいな雰囲気になって(笑)

(Kさん)おごりを期待する女性ばかりではないだろうけど、そういうことありますよね(笑)

(Tさん)あと、住宅ローンを組むとき妻とのペアローンにしたんです。2人の割合を決めるにあたって、銀行の方に「旦那さんのほうが多くていいですよね?」と言われて、なかば強制的に決まって。担当者は50〜60代の男性だったので、「もちろん男性のほうが多いだろう」っていうイメージがあったのかもしれません。

(Uさん)似たような経験あります。「旦那さんが払いますよね」っていう空気だったけど「いや、妻です」みたいな。

仕事を休みづらい雰囲気

(Uさん)そういえば知人から聞いた話ですが、男性の同僚が婿入りして、奥さん側の苗字にしたんですけど、職場ではずっと旧姓を名乗ってたらしいんです。男性が苗字を変えるのって珍しいから、「なんでそうしたの?」といちいち聞かれるのが嫌だったみたいです。

(Kさん)へえー。

(Uさん)女性の苗字が変わったときは「結婚おめでとう!」みたいな雰囲気が強いと思うんですけど、男性だとまだ「なんで?」って質問が先になるんですよね。

(Kさん)育休問題もありますよね。女性は妊娠するのもあって、産休・育休を取る人は多いと思うんですけど、男性は育休を取りにくい空気がある気がします。

(Uさん)ありますね〜。

(Kさん)僕はしっかり育休を取りたいんです。仕事は頑張れば後から巻き返せるけど、こどもと過ごす最初の半年間くらいってかけがえのないものだし、父親の代わりっていないと思うから。でも男性の育休は、まだ一般的ではない感じがしますね。

厚生労働省「令和5年度雇用機会均等基本調査」によると、育休取得率は女性84.1%、男性30.1%でした。男性の取得率は上昇傾向にあるものの、女性に比べると圧倒的に低いのが現状です。

(Uさん)徐々に増えてはいるかもしれないですけど、やっぱり周りの目は気になりますよね。「育休取ってもいいのかな」みたいな相談をされたこともあります。

(Kさん)Tさんは育休を取ってましたよね?

(Tさん)実は育休じゃないんですよ。有休と結婚祝いの休暇を組み合わせて、2週間くらい休みました。振り返ってみると、育休を使ってもう少し休んでもよかったかも。

(Kさん)育休は利用しにくい感じがあったんですか?

(Tさん)そういうわけじゃないんですけど……「休んだら自分の居場所がなくなるんじゃないか」という不安があって。

(Uさん)ああー、わかる。

(Tさん)今思えば、実際はそんなことなかったんだろうな。

(Kさん)Smart相談室はそうでもなさそうですよね。今まで勤めてきた会社のなかには、休みを取りづらいところもあったんですけど、Smart相談室は取りやすくないですか? 僕は有休をしっかり取れてます。

(Uさん)取りやすいですね。ミーティング中に「体調悪いときは休みましょう」っていうアナウンスもよくされるし。

(Kさん)たしかに。そこは心の安定につながっているかも。日頃から言われていると休みやすいし、他の人が休んでいても気にならないですよね。でも制度的なところで言うと、「エフ休」に対応するような男性用の休暇もほしいかも。何の休みかは難しいですけど。

(Tさん)エム休ですかね(笑)

*Smart相談室では、女性社員がさまざまな理由から休暇を取得しやすいように、「エフ休」として月1日まで特別休暇を付与しています。女性特有の体調不良や妊活のための通院などの場合に付与されます。

「女性には優しく、男性には厳しく」の風潮

(Kさん)今の自分の環境ではあんまりないんですけど、「女性には優しく、男性には厳しく」っていう雰囲気は経験があります。女性社員には優しいけど、男同士だからって厳しく詰めてくる男性上司もいました。

(Uさん)めっちゃわかる!

(Kさん)男だってヘコむんですよね。それで体調悪くなっちゃう同僚もいたし。⋯⋯と言いつつ、自分自身も女性に優しくしようとしてるかも(笑)

(Uさん)それはありますね。伝わっているかはわからないけど(笑)
男性への厳しさっていうところで言うと、学生時代のバイト先で「女性は髪色を明るくしてもいいけど、男性は黒髪・短髪じゃなきゃダメ」っていうのがありました。

(Tさん)男性のほうが服装が限られていることはありますね。スーツとか。

(Kさん)そもそも職業選択のバイアスもあるかもしれません。僕はマーケティングをやっていますけど、以前から広報にも興味があるんです。でも、広報って女性のイメージが強いので、男の自分にとってはハードルが高くなっている気がします。勝手にそう感じているだけかもしれないですけど⋯⋯。

(Uさん)逆にエンジニアは男性のほうが多いですしね。

(Kさん)以前、シフト制の職場で働いていたことがあるんですけど、深夜帯は危ないから男性社員にしようっていうのがありました。防犯上、女性だけで遅い時間のシフトを組んではいけないっていうルールで。

(Uさん)力仕事も男性が任されることが多いですよね。性別で区別しないといけないところはあるけど⋯⋯難しいですね。

相談は大事だけど、ハードルを感じることも

(Uさん)女性に比べると、男性のほうが人に相談しないイメージですね。

(Kさん)僕は人への相談って全然しないですね。結局やるもやらないも自分次第だし、「相談してもしなくても変わらないだろう」って、自分の中で考えて完結しちゃう。自分の深い部分について、利害関係のある知り合いに相談するのは、すごくハードルが高いですね。

でもSmart相談室は定期的に使っています。利害関係のない第三者に相談することで気づきがあって、それで自分の意思決定を変えていい方向に行くこともあるので、相談することは大事だなって思います。

(Uさん)僕も自分で決めたほうがいいと思って、全然相談しないで生きてきました。でも身内が病気になったとき、どういう対応をするべきかわからなくて、「知恵を貸してください」という感じで知人に相談しました。困ったときは相談するのも大事ですよね。

僕も定期的にSmart相談室を使っていますけど、やはり利害関係がないと話しやすくて、「何を言っても大丈夫」という安心感があります。自分とは違う発想を取り入れて成長することもありますしね。

(Tさん)僕は前職から一緒に働いている同僚とすごく仲がいいので、プライベートもざっくばらんに相談できています。それでキャリアの方向性を考え直したりもしますね。

(Uさん)男性の生きづらさって今まで考えたことがなかったので、今日はいい機会になりました。女性特有となると目につきやすい反面、男性特有って意識していないから、あんまり印象に残っていないんでしょうね。今日話したことがきっかけで、少し見え方が変わってくるかもしれません。

(Kさん)そもそも「男性だから」「女性だから」っていうのはなくなるといいですよね。僕は幸いにも嫌な思いをしてこなかったけど、偏見にあって傷ついている人もいるでしょうし。

何でも相談してイイよ!

 座談会前は「男性ならではの悩みなんて、あんまり思いつかないなぁ……」という感じだった参加者のみなさんですが、話しているうちにさまざまなエピソードが飛び出しました。

これを機に、みなさんも見過ごされがちな「男性ならではの困難」について改めて考えてみてはいかがでしょうか? 知らないうちに感じていたプレッシャーの原因などに気づけるかもしれません。

 Smart相談室への相談は、はっきりと言語化できないモヤモヤの段階でも大歓迎です!「なんか引っかかってるんだけど……」や「一緒にジェンダー問題について考えてみたい!」など、何でも気軽に相談してくださいね。もちろん性別関係なくお待ちしています。

*実際にSmart相談室を利用された方々へのインタビューはこちら


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