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解決策が見出せない時、どうかカウンセラーという存在を思い出してほしい|光山 華代さん



光山  華代(みつやま かよ)
産業カウンセラー

自己紹介

 2023年3月よりSmart相談室に登録カウンセラーとして参加しております光山華代です。産業カウンセラーの資格を保持しており、現在はその上位資格であるシニア産業カウンセラーの資格取得に向けて継続的に学びを深めています。

落ち込んでも頑張れたのは、モヤモヤを吐き出す場があったから

 大学卒業後、新卒で調査会社に就職、2022年秋に退職するまで21年間マーケティングリサーチ業務に従事しておりました。具体的には、自主企画の市場調査や消費者調査を実施し、調査結果やそれを踏まえた提案をレポートにまとめ、大手メーカー向けに販売する仕事です。また企業からの依頼を受けて行う受託調査にも携わっていました。

企画、調査、営業と一連の業務を任されていたため、企画立案力、調査・分析力、取材力、営業力とさまざまなスキルが求められる職場でした。分野としては加工食品を担当していたのですが、大手メーカーでマーケティングや開発、営業を担当している方にお話を伺ったり、商品戦略のご提案をさせていただいたりすることで、普段スーパーやコンビニで目にしている商品の開発やマーケティングに間接的に関わることができていると思うと、大変ながらやり甲斐を感じることができました。

ただ後述するとおり、仕事はうまくいかないことだらけで、常に悩み多き会社員生活を送っていました。

 入社時は、従業員数が10人に満たない比較的のんびりした社風の会社で、積極的に意見を交わしたり、切磋琢磨して営業成績を競いあったりするような体育会系のノリが苦手だった自分には、その雰囲気が合っていました。

しかし、会社の規模が大きくなっていくとともに、組織体制も徐々に整備され、序列がはっきりとわかる体制になっていきました。社歴が長くなり、求められることも多くなってくるなかで、相応の結果をなかなか出せず悔しい思いをしたり、後から入社してきた同僚や後輩に売上やポジションをさらりと抜かれ不甲斐ない気持ちになったりと、うまくいかないことがたくさんありました。

ただ有難いことに、私の周りには同期や友人で話を聴いてくれる人が常にいました。仕事がうまくいかないときのモヤモヤを吐き出す場があったことで、落ち込むことがあっても長く引きずることなく、「また頑張ろう」という気持ちで仕事に臨むことができていました。

悩みが多かった会社員時代。自分と向き合い見つけたカウンセラーという道

 入社して10年が過ぎた頃、仕事でうまくいかないことが本当に辛いと感じ、もう会社を辞めようと思っていたときに出会った「オーラソーマ®」というカラーセラピーのセッションを受けて感銘を受け、自分でも勉強を始めました。

その中で、数年単位という長い時間をかけて自分と向き合い、先生や仲間に話を聴いてもらいながら胸のうちを言葉にしていくなかで、「会社を辞めたい」という気持ちの奥に隠されていた、それまで意識していなかった自分の心のメカニズムが少しずつ明らかになっていきました。

 会社を辞めたら簡単に楽になれるとどこかで思っていたこと。
 辞めた後のビジョンがまるでなく、ただただ今いる場所から逃げようとしていたこと。
 「辞めたい」と言いながら、実はすっぱり辞めることができる勇気も決断力もなかったこと。
 その裏に、今の仕事を中途半端に投げ出すことを良しとしない気持ちがあったこと。
 また仕事を辞めるということへの罪悪感のような気持ちがあったこと。
そのまた裏には、一つの仕事を続けることこそが「ちゃんとした大人」という刷り込みがあったこと。
 仕事を続けることで「ちゃんとした大人」であることを証明し、親からの期待に応えようとしていたこと。
 自分軸で生きておらず、人から見た自分を常に気にして生きていたこと。……

 そうして自分のことが少しずつわかり始めたときに、会社を辞めようとする気持ちはいったん薄くなっていき、代わりに「働くということを通して自分の強みを活かす方法」を考え始めました。

自分はこれまでどのような強みを活かして今の会社で仕事を続けてくることができたのか。また自分の強みをさらに活かして社会に貢献するにはどうすればいいか。そうしたことをさらに数年単位で考えた末、最終的にはすっきりとした気持ちで会社を辞めるという決断をするに至りました。

 一人でモヤモヤと考えているときには辿り着かなかった心の内側に触れ、自分を必要以上に責めることなく弱みを認め、また一方で自分の強みにも気づいていきながら、等身大の自分を受け入れることができるようになったとき、ようやく自分で自分の人生の選択と決断ができるようになりました。時間がかかりましたが、自分にとってその過程は必要なことだったなと感じています。

 このような経験をする中で、働きづらさや生きづらさを感じている人たちが、より生き生きと日々を生活できるようになるためのサポートができたらと思うに至り、カウンセラーとしての道を志すようになりました。

取得資格としては、自分自身が会社で働くことの大変さを身をもって知っていることから、産業領域のカウンセリングを専門とすることで、より親身にお話をお伺いすることができるのではないかとの思いから、産業カウンセラーを選びました。

誰もが安心して自分のモヤモヤした気持ちを話せる場所を広めたい

 会社を退職したあと、カウンセラーの仕事を探していたときに、たまたまウェブサイトの求人案内に目が留まりました。

当時Smart相談室が掲げていた「従業員の『モヤモヤ』を解消し、日本の生産性を向上させる」 というミッションに大いに共感(*現在のミッションは、働く人の「モヤモヤ」を解消し、「個人の成長」と「組織の成長」を一致させる)。「調子が悪くなる前に気軽に相談ができ、いつもの調子を整えること」ができるサービスが職場にあるということが、どれほど従業員の助けになるだろうとも思いました。

また、オンラインで気軽にカウンセリングを受けることができるサービスというのが、相談者さまにとって使いやすいだろうなと感じるとともに、私自身もさまざまな会社にお勤めの方と面談の機会を得ることができるのではと思い、コンタクトを取りました。

 面接を受ける前に、YouTubeやnoteの記事を通して、Smart相談室の代表である藤田さんの「カウンセリングを少しでも多くの方に気軽に受けてほしい」という熱い想いに触れ、心を打たれました。誰もが安心して自分のモヤモヤした気持ちを話せる場所が広がればいいなと、ここでカウンセラーとして活動したいとの思いが強くなりました。

 そして、実際にジョインしてみて感じたことは、より良質なカウンセリングを提供することができるように、カウンセラーのスキルアップのための環境がすばらしく整えられているということでした。

それぞれ月一回のペースで開催されるオンライン研修やグループスーパービジョンにおいて、さまざまな角度からカウンセリングスキルについて学びを深めることができること、さらにスーパービジョン(SV)で自身の面談をしっかりと振り返ることができることが本当に有難いと感じています。

 ジョインした当初からお世話になっているスーパーバイザーの鵜飼さんには毎回みっちりと指導していただいているのですが、このSVの時間が、より多角的に、より深く相談者さまを理解する助けになっており、常に安心して面談に臨むことができています。

 会社員時代とは違い、いつも誰かが近くにいて気軽に相談できるという状況ではないですが、自分一人だけで業務にあたっているという感覚はなく、多くの方にさまざまな立場からサポートしていただき、とても心強いと感じています。

「誰もが自分の力で人生を切り開いていくことができる」と信じて

 たった今、うまくいかないことがあって八方塞がりであると感じていたとしても、誰もが必ず自分の力でそれを乗り越えていくことができるということを、私は信じています。

なぜなら、どうしていいかわからない悩みを抱える中、自分と向き合い続けたことで、辛さの背景にある思考や感情に気づき、最終的には自信を持って、また自分の選択に責任を持って新しい道に踏み出すことができたということを、私自身が経験しているからです。

 ただ、一人で心の内側を探求するのはなかなか難しいものです。日々の雑事に追われて集中して自分に向き合う時間がとれなかったり、自分の心の中だけで考えていると思考が同じところをぐるぐる回って解決策が見出せなかったり、ということは誰にでも身に覚えのあることではないかと思います。

そんなときに、どうかカウンセラーという存在を思い出してほしい。カウンセラーは「誰もが自分の力で人生を切り開いていくことができる力がある」という確信のもと、相談者さまのお話を伺います。

相談者さまが、ご自身についての理解を深め、自分の選択に責任を持ち、自信を持ってこれからの人生を歩んでいく、そのためのお手伝いができたらと思っています。

 私自身、カウンセラーとしてまだまだ伸びしろがいっぱいで、今後さらにスキルアップしていく必要があると感じています。研修やSV、また自主的に参加している講座や勉強会などで引き続き研鑽を積み、さらに質の高いカウンセリングをご提供できるよう精進していきたいと思っています。


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