【カウンセラーの想い】 ひとりひとりがキャリアオーナーシップを持てる支援がパーパス|藤井 芳行さん
藤井 芳行(ふじい よしゆき)
2級キャリアコンサルタント技能士
自己紹介
こんにちは!キャリアコンサルタントの、藤井芳行と申します。
今回は、【カウンセラーの想い】と題して、これまでの活動を振り返りながら、相談者さまやSmart相談室に対する私の心のうちを綴りたいと思います。
私は、人材派遣や採用支援の会社で、10年ほど「職場選びのキッカケ」を支援することに携わってきました。2022年からはフリーランスとなり、職場選びのキッカケのみならず、「相談者さまが、職場をはじめとした環境で、自己実現を目指して”主体的な意思決定のもと“行動を起こせるように支援する」ということをミッションとして活動を始め、Smart相談室のカウンセラーとしても活動をさせていただいています。
キャリアオーナーシップを持つための支援がしたい
現在の主な仕事は、企業での研修講師、高校や大学でのキャリア教育、Smart相談室等のカウンセラー、珍しいところでは、刑事施設において受刑者が出所後に仕事を得て生活を安定させて再犯を防止するためのキャリア教育等、幅広い立場でキャリアを通じた自己実現について、伝えています。
人材サービスやキャリアに関わる前の10代の頃には、両親のサポートを受けながら飲食店を開業し、店長をしていました。その際のアルバイトスタッフの多くが大学生であり、就職活動の話や将来の目標についての話を聞いていたことが、“職場選びのキッカケ”を支援したいとの思いに繋がっています。
そこから実際にカウンセラーになる大きな出来事は、コロナ禍において、働くキッカケに関わらせていただいていた企業さまやスタッフの方が、外部環境の変化によって営業自粛や休職などのキャリア危機に陥ってしまう状況を目にしたことが契機となりました。
VUCA(先を見通せない予測不可能な時代)という言葉が拡がってきましたが、安定性を重視したり、給料や周囲の評価(外的報酬)を求めたりする従来のキャリア観では、大きなリスクを抱えてしまうことを実感し、仕事を見つけるための支援だけでは本当に自己実現に近づくためには足りないと考えました。
環境の変化に柔軟に対応し、自己成長や心理的成功を重視して、キャリア形成を図ること、つまりは、それぞれの人がキャリアオーナーシップを持つ事(プロティアン・キャリアの考え方)の支援をすることが重要であり、これこそが自分のパーパスであると思いました。そのためには、自分がより主体的に行動するためにもフリーランスとなって活動をする必要があると思い、カウンセラーの道を選びました。
「何でも相談して良い場」、個人の方が気軽に利用できるサービスモデルにビビっ!
フリーランスとして活動をして、初めて業務委託契約を結んだのがSmart相談室です。Smart相談室との出会いは2022年の年始でした。当時は、カウンセリングやコーチング等の第三者である専門家への相談サービスを特別な人の為のものではなく、もっと身近なものとしたいと意気込んで活動を始めたものの、何から取り掛かったらよいものか、迷っていました。
日本で心理的な相談というと、心療内科などのネガティブなイメージが強くあり、気軽に相談する土壌がなかなか出来ていません。また、キャリアコーチングについてはオンラインで利用可能なサービス環境が整い、徐々に認知度が上がってはいたものの、高額なサービス料もあり、まだまだ気軽に受けられるものではありませんでした。また、ハラスメント窓口を設置する企業は多いものの、告発や陰口などのイメージから、利用までの心理的ハードルが高く、なかなか相談することが出来ずに心身のバランスを崩してしまう方の事例を多く見ていました。
そんな時に、Smart相談室についてのインターネット記事を見て、従業員の福利厚生サービスとして提供し、「なんでも相談して良い場」とすることで、相談者さまとなる個人の方が気軽に利用できるというサービスモデルに衝撃を受けました。まずは問題が深刻化する前、ちょっと気になる段階で“第三者に相談する”という行為が相談サービスの間口を広げ、その後のキャリア開発にも繋がるものとなると、ビビっ!と来ました。
すぐに、カウンセラー募集に応募したところ、藤田さんに迅速に対応いただいて、サービスに対する想いなどのお話を伺うとともに私の想いも伝えました。ありがたい事にご縁をいただき、業務委託を受ける最初の会社がSmart相談室となり、私がカウンセラーとして走りはじめる最初の一歩となりました。
カウンセリングやコーチングを気軽に使うことは自己実現をより身近にする
本当に様々な相談をしていただくことが、新鮮であると同時に、とても嬉しいと感じています。
前職までは、エージェントとしての面談でしたので、基本的には仕事に関する希望を伺うことが中心で、話の流れもどちらかというと、コンサルタントが主導するような構成でカウンセラーとしての大原則である来談者さま中心ではありませんでした。
それが、なんでも話せる相談の場という前提で相談者さまが来ると、
などなど、本当に相談者さまの数だけ相談内容があり、一度としてパターンに当てはめて面談を行うようなことがありません。
相談の内容によっては、申込を頂いた時点で「自分に対応できるかな・・・」と不安になることもありますが、そんな時には、スーパーバイザーの鵜飼さんとのスーパービジョンも受けられるので、安心して相談者さまに向き合うことができます。
そして、相談を終結する際に、相談者さまの表情が会ったばかりの時と全然違って、エネルギーに満ちていたりすると、これほどカウンセラー冥利に尽きることはありません。様々な内容のご相談をお話していただけることで、確実にカウンセラーとして成長することができていると感じています。
つらいと感じたり、その手前のモヤモヤを感じていたりする時というのは相談者さまの成長のチャンスだと考えています。なぜ辛いのか?なぜモヤモヤするのか?それは、もっと良い状態にある自分がイメージ出来るからだと思います。
例えば、上司や同僚との関係が上手く築けずつらいと感じているというのは、上手く関係を築けた職場のイメージがある。成果が上がらず悩んでいるのであれば、もっと成果を上げないといけないorもっと成果を上げることができると思っている。ということなのではないでしょうか?
つまり、その感情を整理して、目標を見つけて行動することができたときには、主体的な行動によってポジティブな変化があるはずであり、これこそがキャリアオーナーシップだと思います。
しかし、自分ひとりでは「こうすれば良い」というアイデアや方向を見つけることは、なかなか簡単ではなく、無理をしたり頑張りすぎたりしてしまって心身のバランスを崩してしまうことの事例を多く見てきました。そうなる前に、カウンセリングやコーチングというツールをもっと気軽に使うことが当たり前であれば、無理をすることなく状況を客観視することや別の視点を得ることができて、自己実現を目指す人が増えていくことに繋がると、私は考えています。
私自身は、過去に営業の成果は出せているが、事務作業が苦手でミスが重なり上司に再三注意を受けていた時期があり、「なぜ自分はできないのか、ダメな奴だ」と自責をすることで、自信を喪失してしまい営業に関しても成果が上がらなくなってしまった経験がありました。
その際に、キャリアコンサルタントの先輩に相談をさせてもらい、事務作業の“何が苦手で、何なら出来るのか”を整理していきました。すると、自分は企画書や報告書等の文章作成は得意だが、経費精算や見積もり等のルールに沿って正確に行うルーティーン作業が苦手であることが分かりました。
それからは、ルーティーン作業に関しては、コピペで済ませることができる様にサンプルやフレームを作っておくという、実に単純な事前準備を行うことで、注意を受けていたミスがほぼ無くなり、自信を取り戻すことができました。
私の経験は他の人から見れば取るに足らない、小さな悩みや解決策だったかもしれないですが、当時の私には大きな壁であり、解消できたことで随分と精神的に楽になりました。更には、主体的な行動によってポジティブな変化を起こせた経験は、自己肯定感を高め、現在のフリーランスになるという選択をする際にも、背中を押してくれました。
私たち、Smart相談室のカウンセラーは皆さんの味方です。こんなことで、相談してもいいのかな?なんてことはありません。ちょっとしたモヤモヤを吐き出すことから自分のありたい姿や普段は抑えていた気持ちに気がつくことがあります。はじめは、「もっと日々を快適に過ごすためにいい情報でも取れれば」という気軽な気持ちで良いと思っています。Smart相談室の利用を是非、検討してみてください。
相談者さまの変化に伴走するカウンセラーとしてありたい
相談者さまがポジティブな変化を得て成長するツールとして、カウンセリングやコーチングを活用することがもっと気軽に、当たり前になると良いな、なんて思っています。
Smart相談室には様々なバックグラウンドを持つカウンセラー・コーチがいらっしゃいますので、本当に「なんでも相談ができる」サービスです。同じ内容の相談でも、カウンセラーが違えば見えてくる変化や希望も変わってくると思います。例えば、今抱えている悩みについて、複数の視点で話をしてみるというのも利用方法としていいのではないかと思います。
最後に、ここまで色々と書いてきましたが、実は最近、私は研修や講師としての仕事に時間を優先しており、Smart相談室でのカウンセリングの時間を少しセーブしていました。しかし、この原稿を書いていてやっぱり、ダイレクトに相談者さまの変化に伴走することができる、カウンセラーというあり方が自分のベースとしてありたい姿であることに気がつきました。今後の業務比重を変えてもっと相談者さまと関われる機会を増やしたいと思います。
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