Smart相談室CEO・藤田はコーチングをどのように使っているのか?
こんにちは!広報担当の宮田です。
Smart相談室は、2024年7月に「選抜型コーチング」機能をリリースしました。「この人にぜひコーチングを受けてほしい!」という人を企業の管理者さまが指定し受講を管理することで、忙しくてなかなか自分のための時間が取れないミドルマネジメント層やエグゼクティブの成長を後押しするためのものです。
とはいえ、忙しい方からすると
「わざわざ時間を取って何するの?」
「実際にどんなことを話してるの?」
といったことがわからないと、前向きにコーチングを受けにくいかもしれません。
そこで今回は、Smart相談室CEOの藤田さんが定期的にコーチングをお願いしている山縣さんをお招きし、コーチングの使い方について伺いました。
「藤田さんは何のためにコーチングを受けていて、具体的にどんなことをしているのか?」や「エグゼクティブはどんなコーチングの使い方をしているのか?」など、コーチングの中身や効果がよくわかる興味深い内容となったので、ぜひご一読ください!
コーチ紹介
コーチングは自分に意識的になるための時間
(宮田)今日はよろしくお願いします!そもそも藤田さんは、どうしてコーチングを受けようと思ったんですか?
(藤田さん)僕がコーチングを使っているのは、自分に意識的になることが目的です。昔から変わらず、自分を見る時間、考える時間をつくるために使っています。山縣さんには長期でお願いしているけど、コーチング自体はそれ以前にも断続的に利用していました。
(宮田)山縣さんのコーチングを受けることになったきっかけを教えてください。
(藤田さん)自分自身がコーチングの資格を取るために、ある認定資格を持ったコーチ20人ほどにアプローチしたんです。本当にいろいろな人がいておもしろかったんだけど、その中で山縣さんにお願いしたのは、単純に言うと気が合うから。
ほとんどのコーチが「お仕事大変ですか?」「何から話しますか?」というところから始めて、仕事の話をすることが多いけれど、山縣さんはそのあたりをバッサリと終えて「藤田さんてどんな人なんですか?」と。あまり気を使わない雰囲気もいいなと思いました。
(山縣さん)始めてから1年半くらいになりますね。
(藤田さん)最初は資格のためだったけど、資格を取得した頃には山縣さんとのコーチングが日々を営むうえで必要なものになっていたから、続けることにしました。
最初は、「山縣さんにテーマを設定してもらって、自分の価値観を深掘りする」というのを何回かやりましたね。途中から僕の仕事が忙しくなってきたので、最近は仕事の優先順位づけとか、自分がやりたいことを決める時間にさせてもらっています。
クライアントの話に、いろいろな視点を入れていく
(山縣さん)藤田さんとは2週間に1度と決めて、壁打ちに使っていただいています。毎回1時間弱くらいですね。藤田さんは忙しいので、ミーティングとミーティングの合間に「じゃあ今から50分ですね」という感じで。話したことを画面共有しながら言語化していったり、マトリクスにしたりして、即座に返すようにしています。
(藤田さん)マトリクスは1か月単位で見ているんだけど、めっちゃおもしろいよ! やっていて察したこととしては、今の僕のビジネスモデルは2か月くらいの単位で大きく変わっています。2週間や1週間だと結果が出ない仕事なんですよね。そういうことを意識するようになりました。
(宮田)山縣さんから見た藤田さんの印象や、藤田さんに対するコーチングのポイントはどんなものですか?
(山縣さん)企業の代表など同じような立場の方の特色として、期間限定の場合は、みなさんご自身のスタイルやテーマを明確に持っていて、そこに対してコーチングをしていきます。1年以上など長期にわたる場合は、壁打ち的に「自分の日々を落ち着いて考えたい」という使い方が多いです。
そういった方たちの中でも、藤田さんは群を抜いて精神的に安定していますね。常に同じテンションをキープしているというか。大変は大変なんでしょうけど、「安定しているように見せている」というわけでもなさそうだなと。
そこで私が気をつけていることは、藤田さんが言っていることを“見える化”すること、即座にやること、いろいろな視点で見ることです。藤田さんは、自分を第三の目で見ているような感じがあって。
(藤田さん)“せかせかやっている自分”以外の視点で見たいというのがあるので、メタ認知みたいな感じですね。
(山縣さん)メタ認知をされている時に、自分ひとりでそれ以外の視点を持つのは大変なので、「何か他の視点がないか?」「こういうところから見たらどうなんだろう?」というのは常に気にしています。
エグゼクティブや代表は、自分のことを話せる人が周りにいないので、いったん立ち止まってしゃべる機会をつくるのがとても大事です。日々の業務をやるにしても、自分の意思が入るものと手放していかなければいけないものの両方が起こるので、そのあたりの順位づけも必要になります。そのためにコーチングでいろいろな視点を入れていく感じですね。
(宮田)企業のフェーズによってコーチを変えることについてはどうお考えですか?
(山縣さん)そうするべきだと思います。いわゆる「エグゼクティブコーチング」のコーチは、経営の経験があったりMBAを取得していたりして、経営者の目線で話ができる人が多いです。私はそういう観点からはコーチングできないので、はじめに必ず断りを入れてスタートします。こちらができること、できないことをはっきり伝えたほうがいいと思うので。
経営については別にコンサルをつけて、マインド面は私に相談してくださる方もいます。そういう方とのお付き合いは長いですね。
(宮田)いろいろなコーチングスクールのインタビューを通して、“コーチのあり方”をすごく大切にしているスクールが多いなと思っています。山縣さんはご自身のコーチングをどのようにとらえていますか?
(山縣さん)私のコーチングの特徴としては、クライアントさんがバーンと変わる感じではなく、ジワジワ変わっていくんですよ。半年くらい続けたら「ひとつ階段を上がった気がする」というような。だから「明日会社辞めます!」というようなことにはならないです(笑)
話す機会を持つことで、自己理解が進む
(宮田)初めてコーチングを受ける方は、どういうきっかけで来られることが多いんですか?
(山縣さん)いろいろありますよ。藤田さんのように「資格を取りたいから」という人もいれば、ホームページを見て来てくれる人もいるし、知り合いから紹介される場合もあるし、リーダーシップ開発などの研修をやっている企業から頼まれることもあります。
(宮田)「選抜型コーチング」をリリースした背景のひとつとして、「企業がコーチングを受けてほしいマネジメント層は忙しいから、自分ではなかなかコーチングの予約をしてくれない」というお悩みを解消したいという思いがありました。そこで、企業側が指定する人に受けてもらえるように「選抜型コーチング」機能をつくったんです。
(山縣さん)自分では受ける意思がない人に受講させるためには、きっかけがあるといいですね。たとえば360℃評価を受けてもらうと、自分がどう思われているかが見えてきます。そこで、自分の強みや課題をどうしていきたいかを考えるところを、コーチングの入口にするとか。
「興味もないのに受けさせられる」ということに対して、最初はすごく抵抗を持つ方もいて。ビクビクしながら来られるので、「大丈夫ですよ」と安心させるところから始めます。
「なんでこんなことしゃべらなきゃいけないの?」「自分のこと話すの苦手だなぁ」「たいしたこと言えてないな」とか、ネガティブな反応もありますよ。「ちゃんと話さなきゃいけない」と思う人もいらして、プレッシャーに感じてしまうみたいです。
(宮田)コーチングに抵抗を感じている方が、実際にコーチングを受けた後はどう変わるんでしょうか?
(山縣さん)さまざまですけれども、安心してくださることが多いですね。こういう時代だからかもしれませんが、自分が大事にしている価値観をじっくり聞いてもらう場って少ないですよね。仕事上だけじゃなくて、生きているなかで大事しているものを語る場は、特にコロナ禍から消失しています。1on1を導入して上司がうまくやっている企業はいいんですが、一方的に説教されることも多いようです。
そんななかでコーチングで話す時間を持つと、「こうやってしゃべっていいんだ」と、ほっとしたりワクワクしたり。「こういうことを会社の時間でしゃべったことがない」という人もいます。
最初はコーチングに対してネガティブな人もいますが、受けてみるとおおむね安心感を得て、「しゃべっていいんだ。じゃあもっと自分のこと考えてみよう」と自己理解が進みます。そこではネガティブな自分も受け入れる準備が始まっていて、少し自信がついて、次の段階に向かっている。
小さい階段なんですけど、気がつくと自分が成長していることを確認できるんです。コーチはずっと見ていて、「ここまで成長しましたね」「あなたの価値観はこれだけ大事ですよね」というのを客観的にフィードバックするので。
(宮田)企業の中で、人間として自分がどうなりたいかとか、“自分のあり方”みたいなところを意識することってないですよね。でもコーチングを受けると「考えたことなかったな」っていう質問が飛んでくるので、その反応には納得がいくし、拒否反応が出る人がいるのもわかります。
*私、宮田がコーチングを受けてみたレポートも公開しているので、ぜひ読んでみてください!
(山縣さん)私も、コーチですが人間なので、「これ今考えたくない」みたいな時もあるんですよね。受けさせられる人は「成長とかどうでもいい」と思っているかもしれません。
でも、仕事をするからには、何かおもしろみとか楽しみが絶対必要だと思っていて。少しでも自覚的でいると、それがより倍増するというか。
私は映画やドラマが好きなんですけど、ただ観るだけじゃなくて、作られた背景とか監督の想いを知っていると、おもしろさが倍増するじゃないですか。自分のことも同じだと思うんです。ただ生きているっていうよりも、「この時こういうふうに自分が理解したからそうなんだな」っていう背景がわかると、自己理解が進んで、おもしろみが増すと思います。
(藤田さん)僕の場合は「手放したら仕事が終わり」というジャッジをしているんですが、「そこが藤田さんにとって重要ですよね」ということを山縣さんが教えてくれたんです。僕の想いとして「暇になりたい」というのがあるから、そのために権限を移譲したり1on1の数を減らしたりしました。これも自己理解が進んだ結果だなと思います。
(宮田)いろいろと勉強になりました。貴重なお話をありがとうございました!
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