【カウンセラーの想い】オンラインでも、体温を感じるようなつながりを|岩野 弥佐子さん
岩野 弥佐子(いわの みさこ)
国家資格キャリアコンサルタント
自己紹介
はじめまして。Smart相談室、カウンセラーの岩野弥佐子です。
職業訓練校、大学入試総合型選抜専門塾などでも、キャリアのお手伝いをしています。群れを嫌い、権威を嫌い、束縛を嫌い、叩き上げのスキルだけが武器のフリーランスです。大門未知子とは違い、よ〜く失敗します。組織で働くことが苦手なため、気づけばこんな働き方になっていました。
「こうあるべき」が強すぎて、そのギャップにいつも不満を抱えていた過去と転職を繰り返して得た気づき
私は、とにかく転職経験が多いです。現在は50代ですが、キャリアに関しては20代前半からつまずきました。大学を卒業し結婚するまでの3年半で、すでに3つの仕事を経験しました。しかも分野はバラバラ。まずはプログラマーから始まり、1年半後に老健施設の相談員、そして木工製品の職人。今振り返ると、組織や上司などに対する「こうあるべき」が強すぎて、そのギャップにいつも不満を抱えていた気がします。生意気な20代でした。
結婚後は、手に職をつければ、もっと自由に仕事ができると思い、29歳で建築を勉強するため、再び学生になりました。ところが、卒業するころには2児の母になっていました。自由に仕事などできるはずもなく、建設会社にパートで採用されるまで半年近くかかりました。 その後、夫の転勤に伴い、専業主婦を5年経験しました。子育ては仕事よりも大変でしたが、ママ友達とランチを食べ歩く日々は思いのほか楽しかったです。
子どもたちが小学校に上がった頃、そろそろ働きたいなと思い、学習塾の説明会にふらっと参加しました。とんとん拍子で話が進み、駅前で教室を開くことが決まりました。これで自分のやり方で自由に仕事ができると思い、フランチャイズの仕組みもよく理解しないままスタートしてしまいました。結局、本部に納めるロイヤリティの負担が大きく、家賃を払うと利益はゼロになりました。
そんなこんなで40代半ば。職業訓練校の講師になりました。最初はインテリア、次にパソコンを教えていました。年齢的に次はもうないと思い、無我夢中でした。業務委託契約がアルバイトと違うことを理解したのは、仕事を始めて数年経ったころです。法的には労働者ではなく、労災さえない働き方に「また、やっちまったな」と思いました。しかし、組織とは一定の距離感があり、ある程度自分流が認められた、この働き方が私には向いていました。
譲れない価値観の自覚が人生を歩むうえで大切なこと
今から10年ほど前、職業訓練校で就職支援担当を任されたことが、カウンセラーになるきっかけでした。自己理解、応募書類作成、面接対策など、再就職に向けての授業と、個別のキャリアカウンセリングが主な仕事です。人生の転機を迎えている人々に、理論に裏付けされた支援がしたくて、国家資格キャリアコンサルタントを取得しようと思いました。養成講座の中で、自分自身も自己理解を深め、なぜ自分が転職を繰り返してしまったのか、自分の譲れない価値観を知ることができました。
自分のやり方、自分のペース、自分の納得する仕事の標準を重視し、ごく当たり前の規則や手順、規範であっても束縛されることを好まない。これが私のこだわりだったのだとわかり、霧が晴れる思いでした。それからは、自分のこだわりさえ守られていれば、多少の不満には目をつぶれるようになりました。私と同じように人にはそれぞれ譲れない価値観があり、それを自覚していることが仕事人生を歩むうえで大切であることを、多くの人にも知ってもらいたいと思いました。
Smart相談室との出会いと人はみな愛おしく尊い存在だと思う日々
職業訓練校では、訓練期間中に3回のキャリアカウンセリングを実施しています。まずは、これまでのキャリアを一緒に振り返りながら、自己理解を深めてもらいます。その際、前職を辞めるに至った理由もお聞きします。原因は人それぞれですが、職場の人間関係、特に上司とのコミュニケーション上の問題が多いです。
メンタル不調にまで発展していると、訓練で新しい知識やスキルを身につけても、体調面で再就職は難しくなるケースを多く見てきました。もっと早い段階で、誰かに相談できていたなら、違う選択肢があったかもしれない。組織の中で働きながら悩んでいる人に、すぐにできる手助けはないだろうか。そんな思いを数年前から募らせていました。
一方、コロナ禍以降、「オンラインを利用し在宅で働きたい」という訓練生からの相談が増えてきました。まずは、私自身がオンラインを利用した仕事を体験し、働き方のメリット、デメリットを理解する必要があると思いました。
そして、登録したのがWantedlyでした。登録してすぐにSmart相談室からカウンセラー募集のお知らせが届きました。「メンタル不調に陥る前にサポートしたい」というCEO 藤田さんの思いを読んだとき「これだ!」と思いました。過去の失敗の数々をすっかり忘れ、また即決で「話を聞きに行きたい」のボタンを押していました。
Smart相談室にジョインしてからの日々は、とても勉強になり、やりがいを感じています。ジョインするまで、働く人の悩みは、職場の人間関係に関するものがほとんどだと思い込んでいました。しかし実際は、遠方に住む親の介護について、親戚付き合いについて、子どもの反抗期についてなど、相談内容は実に多岐にわたります。改めて、仕事は人生の一部でしかないことを実感しました。悩みの原因は何であれ、話すことで心に余裕が生まれ、仕事にも前向きになれます。
カウンセラーとして感じるSmart相談室の良さは、まず、継続して支援ができることです。私がこれまで担当した相談者さまの多くは、複数回の面談を利用されています。週1回、2週に1回、月に1回など、ご自身に合ったペースで対話を継続してくださっています。「苦手な上司に今日は質問ができた。」そんな小さな成長を見逃さず、一緒に喜び合えることは、カウンセラー冥利に尽きます。人はみな愛おしく尊い存在だと日々思えるこの仕事が、私は大好きです。
また、いつでもスーパービジョンを受けられるという環境は、とてもありがたいです。30分という限られた時間で、効果を実感していただくため、ご予約メールに書かれている相談内容をもとに、初回面談前にスーパービジョンを受けることもあります。お話を伺うポイントを整理でき、いつも以上に集中して面談に臨めるので、ノンバーバルな情報にも気づきやすくなります。
推し活のようなカウンセラーの仕事
相談者さまには、日々感謝しかありません。家族や友人にも話せない悩みを聞かせてくださり、本当にありがとうございます。人を応援することで自分もがんばれる。カウンセラーの仕事は、推し活に似ているのかもしれません。
現在、月イチで伴走させていただいている、新卒1年目のクライエントAさんからいただいた感想を紹介したいと思います。Aさんは入社2か月目に初めてのご予約をいただき、現在、半年ほどのお付き合いになりました。大きな悩みを抱えていらっしゃるわけではなく、むしろ順調なキャリアを歩んでいらっしゃると感じています。定期的な振り返りをおこなうことで、社会人としての成長を一緒に実感できることは、私の喜びでもあります。以下、Aさんから許可を得て感想を掲載します。
【AさんがSmart相談室を通して感じたこと】
弊社では、メンバーが組織に馴染める・個人の成長と会社の成長がフィットするように毎週や隔週で1on1を設定しており、この時間では自分のモチベーションや業務姿勢が事業の方向と一致しているかの擦り合わせをすることができるのですが、やはり同じ企業・チームというところから、多少気を使ってしまって本音では語りきれない部分があります。
入社時から月1回利用しているSmart相談室では、自分の会社とも職種とも関係のない岩野さんとお話しすることができるため、心理的なハードルを全く感じずに、とりあえず自分の直近1ヶ月の経験・心理状況を言語化して、上司やメンバーとの1on1では話せなかったモヤモヤしていた部分を吐き出すことができるうえに、経験からの学びを違う分野の方に説明する中で改めて言語化し、学びとして自分自身の中に定着したように感じた経験がありました。悩みがなくても直近の出来事を振り返る時間として毎月設定するのが、新卒のタイミングでも負荷も大きすぎず、良い機会になっていると感じています。
社会から孤立をなくし、できるだけ多くの人に幸せになってもらうためのカウンセラーに
転職経験の多さという共通項で、私を選んでくださる相談者さまがいます。私にとっては、なるべく人に言いたくなかった自分の弱さをきっかけに、人とつながれる。「あっ、この人も自分と同じ人間だ」って思ってもらえるんでしょうね。うれしいです。今は、たくさん失敗してきてよかったなと思います。孤立とは、私の側に誰もいないという感覚だと思います。社会から孤立をなくし、できるだけ多くの人に幸せになってもらうため「私もあの人も同じ人間なんだ」と思ってもらえるカウンセラーを、これからも目指していきます。
ちょっと大げさかもしれませんが、Smart相談室での丁寧な30分の積み重ねが、人類の平和につながっていくと信じています。そんな大きな理想を胸に、たくさんの出会いをこれからも重ねていきたいと願っています。
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