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コーチングの源流として「Being」と「Doing」からなる「Co-Active®コーチング」を広めたい 〜CTI JAPAN〜

こんにちは!Smart相談室CEOの藤田です。
この記事は連載企画「『コーチングとはなにか?』ICF認定スクールに聞いてみた」の一環として、CTI JAPAN代表の平田淳二さんにインタビュー取材させていただいた内容をまとめたものです。聞き手は、藤田と広報担当のみやっちゃんです。
(7000字超えの超大作となりました!お時間のあるときにお読みいただけますと幸いです。)

CTI JAPANのHPより抜粋

https://www.thecoaches.co.jp/


CTIは、コーチングの源流となる組織

(藤田)今日はよろしくお願いします!まずはCTI JAPANの成り立ちを教えてください。

(平田さん)CTIは元々アメリカで生まれて世界に広がりました。CTIは、コーチングの歴史において、世界で初めて国際コーチング連盟(ICF)の認定を受けたプログラムを提供している、コーチングの源流となる組織です。ハーバード大学医学部附属のコーチング研究所からは、CTIのトレーニングはコーチングの「ゴールドスタンダード」と評されています。

また、CTIの認定資格であるCPCC®(Certified Professional Co-Active® Coach)は、コーチング業界で最も厳格な資格と言われ、実力と信頼を備えるプロコーチを輩出しています。

(藤田)それが日本に来て、CTI JAPANになったってことでしょうか。

(平田さん)そうです。CTIの考え方を日本で広めることを目的に設立されました。2000年7月、日本人として初めてCTI認定プロコーチ(CPCC®)資格を取得した榎本英剛が、米国CTIから正式にライセンスを取得。 同社の強力なバックアップのもとにCTI JAPANは設立され、日本におけるコーチングの黎明期から現在に至るまで、その発展に寄与してきました。

 2000年当時から、Co-ActiveコーチングとCo-Activeリーダーシップを提供していました。その後、Co-Activeコーチングを企業で使いたいという卒業生の声が多数届き、Co-Activeコーチングと相性のいいアセスメントとしてのThe Leadership Circleや、関係性へのコーチングを取り扱うORSC®プログラム(*)の日本への導入を進めました。
*ORSC®は、CRR GlobalおよびCRR Global Japan合同会社の登録商標です

 その後、株式会社ウエイクアップを設立し、スクール事業としてCTIジャパン、CRRジャパン(2019年にCRR Global Japan合同会社へ事業譲渡)、TLCジャパン(2018年にTLC APACへ業務移管)という3ブランドと、これらのサービスを法人に提供する「ウエイクアップ」というブランドを日本で展開するようになりました。

現在の株式会社ウエイクアップは、Co-Activeコーチングやリーダーシップを学んでいただく「CTI JAPAN」と、法人向けの各種コーチング・サービスを提供する「ウエイクアップ」2つのブランドを中心として、他にはエグゼクティブへのメンターなどを提供する「伴想人®」やNPO向けのプログラムを提供する「WUPEA (WAKE UP for Peace)」を展開しています。

*CTI JAPANの歴史についての詳細はこちらから

CTI JAPANのHPから抜粋

CTIのコーチングとは「Co-Activeコーチング」

(藤田)お話を聞いて、しっかりとした歴史と体系的な内容に裏打ちされているんだなぁという印象を受けたのですが、独自の理論があるのでしょうか?

(平田さん)CTIでは、コーチとの協働によって、クライアントが自身に焦点を当てることで生まれる意識の変化から行動変容を促すことをコーチングと定義しています。CTI独自のコーチング法で、「Co-Activeコーチング」と言います。

CTIのロゴ

スポーツコーチのようなアドバイスではなく、コーチングスキルを通じて、クライアント自身の意識の変化につながる対話をします。コーチ自身もありのままの姿でクライアントに関わり、協働的な関係を築き、クライアントの価値観や行動を妨げる思考パターンをともに発見し、意識と行動の変化を呼び起こします。

Co-Activeコーチングは、どの人も根源的に願っていること「日々充実感を感じながら、自ら人生の主導権を握り、人生の目的に沿って生きること」を可能にし、クライアントが自ら、さまざまな環境や状況に応用できる持続可能な力を培うコーチングです。

「Being」と「Doing」からなるCo-Active

(藤田)CTI独自のコーチング法とのことでした。具体的に、どのあたりが独自なのでしょうか?

(平田さん)はい、「Being」と「Doing」という概念から成り立っていることが独自です。「Being」=「Co」、「Doing=Active」で「Being」+「Doing」=「Co-Active」というような体系です。

(藤田)「Being」と「Doing」とは何でしょう?

(平田さん)Being=どうあるか、Doing=何をするか、という意味です。この2つを同時に尊重することで、コーチとクライアントが協力し合い、意識の変化から意味のある行動変容が生まれます。単なる目標達成ではなく、その人自身が何を大事にしているか、どんなことを大切に生きていきたいか、自分の人生を自ら選択すること、今を大切にするといったような人の根源的な願いを大切にすることで、意味のある行動変容が生まれると考えています。

(藤田)「Being」と「Doing」について、すごく共感したんですが、そもそもどのようにして生まれた概念なのですか?

(平田さん)アメリカの創設者が作ったものです。当時、目標達成や行動変容となると、何かしらの(特にスポーツの)コーチが指導する形の関わりをすることが多かったんです。でも、そのような関わりだとコーチからの一方的な指示になることが多い。そのような関わりだけでは、十分にクライアントの行動変容に繋げられない。

そこで、Being=どうあるか、という「あり方」を取り扱うことが大事だと考えたんですね。Beingは一種の価値観です。Beingを考えるようになると、どんなに行動変容して目標達成しても、その目標達成に意味があるのか?と疑問になるようになる。本当にその行動(=Doing)が、自分が大切にしていることに関係しているのかと・・・。このような流れで、「Being」と「Doing」、両方を同時に尊重することが大切なんですね。

 もう一つ、コーチ自身の「Being」が大切です。単純に、「コーチがこうすればコーチングです」というものではない。コーチ自身が、その人らしくクライアントに関わることで、それがクライアントに影響を与えるのです。

CTIの特徴は、徹底した体験学習です

(藤田)コーチングスクールとしての特徴はありますか?

(平田さん)組織面で言うと、古くから活動していて、全世界で展開しており、コーチングの本流であり源流であると言う点ですね。
教育内容としての特徴は徹底した体験学習ですね。座学ではなく、実際にコーチングを行うことを大切にしています。

体験学習の様子

コーチングを行なったり、受けたり、それを見たりする。フィードバックしたり、フィードバックをもらったり、そのやり取りを見たりする。これを大切にしています。コーチングが「わかる」とか「理解する」ではなくて「できる」ことをすごく大事にしているのが特徴です。

(藤田)「Co-Activeコーチング」を学習して、コーチにどうなって欲しいですか?

(平田さん)「Co-Activeコーチング」を学んで、「Co-Activeコーチング」を使って欲しい。「Co-Activeコーチング」を使うことで、相手を尊重したり、自らの価値観に沿って生きていくことをサポートする人が増えると考えています。

大きな主題と小さな主題を両方取り扱う

(藤田)スクールとして、どのようなことを大切にコーチングするように指導されていますか?

(平田さん)まず、コーチ自身がご自身のBeing=あり方について、ありのままを大事にしましょう、と言っています。そのためにも、スキルだけでなくコーチのあり方の幅を広げるトレーニングも実施しています。次に、クライアントが出してくるテーマの扱い方ですね。そのテーマは、大きな主題なのか?小さな主題なのか?クライアントの人生に大きな影響を与えるのかを大切にしよう、と言っています。

それが「大きな主題なのか?」をからだ全体で感じている様子

例えば、「会社の売上が伸びない」、「人間関係でちょっとトラブル」などのテーマから、そのテーマの奥にあるクライアント自身が本来持っているもっと大きなテーマにも着目するようにと言っています。そういった大きな主題と小さな主題を両方取り扱うことで、事象を見るのではなく、クライアントを見ることができるからです。

今、コーチングは求められている。特に、企業に一番求められている

(藤田)コーチングを通じて実現したい社会はありますか?

(平田さん)あります。そもそも、一人で生きていける人ってそんなに多くない。さらに、世の中はやっぱり本当に厳しい。多くの方が厳しい環境の中で、目の前でやらなければらないこと、TODOがいっぱいあるはず。会社だろうが、家族だろうがね。

父親の役割とか母親の役割とか会社の役割とか親の面倒を見る役割とか、いっぱい役割がある中で、それでも何とか一人でやろうとする。僕は、それはちょっと違うんじゃないかな?と思っています。そこにはコーチがいるよって言ってあげたい。

コーチと一緒に、自分自身を振り返る時間が持てる。ちゃんと自分自身、何を大事にしたいのか、どんな行動がしたいのか、そういう時間を作って振り返ることができる。そんな世の中は、みんなが生き生きとしているはずです。

(藤田)いいですね。みんながコーチングマインドを持って生活できるって素敵です。

(平田さん)ですよね。コーチングは社会に求められてる。求められているところに、たくさんコーチを送りたいです。でも、まだまだ潜在的で、コーチングの存在が知られてないとも思っています。

多くのCo-Activeコーチが社会を変えるために研鑽を積んでいる

(藤田)どこに一番求められていると思いますか?

(平田さん)特に最近は、企業に一番求められていると考えています。Smart相談室さんも相談がいっぱい入るでしょ。「もう、どうしたらいいかわかんない」とか「目の前で本当にやることが多い」とか、その状態が続いて病気になっちゃう人も出てきているはず。

一方、会社では人的資本経営が求められていて、エンゲージメントも高めていかなきゃいけないとか言われている。会社側もどうしたらいいかわからない状況で、人事・労務担当者は板挟みでしょうね。中には、冷めている人もいるのかもしれない。そういう人たち全員に対してコーチがいて、関わっていけるようになっていくといいなと思っています。

エグゼクティブの方こそ、コーチングが必要

(藤田)会社としてできることはあるでしょうか?

(平田さん)2つあります。一つは、管理職の方にコーチングを学んでいただくこと、もう一つはエグゼクティブ層の方がコーチングを受けることです。

 管理職の方がコーチングを学ぶのは、部下を含めた同僚との関わり方のスタンスを学んでいただきたいからです。コーチングを学ぶと言っても、3日の研修でコーチングが誰にでもできるようになることはありません。ですが、コーチがクライアントと接する際のスタンスは理解できるはずです。このスタンスを理解するだけでも、仕事の成果には繋がります。効率が上がるでしょうし、今まで見えていなかった問題点、課題が浮き上がってくるはずです。特に人材を育成する場面では効果てきめんなはずです。

 エグゼクティブの方に関しては、とにかく「人に言えないこと」が多いですよね。ちょっとした言葉に影響力があるので、言いたくても言えない、合理的にグッと堪えてしまう。そうしていると、自分が本当に大切なことがわからなくなってくる。時には体調不良になるかもしれない。エグゼクティブこそ、自分自身を見つめて、自分が本当に大事にしていることは何かを立ち止まって俯瞰した方が良いです。自分のあり方がリーダーシップとなって会社の成長に現れますから。

(藤田)やはりエグゼクティブの方もコーチングが必要ですか?

(平田さん)エグゼクティブの方こそ、コーチングが必要でしょうね。これまで多くの経営者、エグゼクティブの方をサポートさせてもらっていますが、戦略上の高度なジャッジに迷っていると言うことはなくて、ほとんどは人間関係のことなんですね。

戦略上の整合性を優先したいけど、そうもいかない人事的な問題がある、また、一言一言の影響力も範囲も大きいので、話せないことも多く悶々とする。自分の内なる声はどう言っているのか・・・。そのような状況を一緒に乗り越えることが多いです。

エグゼクティブとはいえ、一人ではなかなか乗り越えられないです。「自分自身が本当に大事にしていることはこれだ」、「これだけは譲れない」と自分で考える、そんな時間を一緒に作らせてもらうことで、会社にとっても良い結果をお届けすることができます。

人事労務部門の方がコーチングを行うことで社員が前に進むような関わりができるようになる

(宮田さん)部署で言うと、どの部署の方がコーチングを受けた方が良いと思われますか?

(平田さん)難しいですね。まず、人と関わることが多い部署の人が必要だろうなと思います。そう考えると、人事・労務部の方でしょうね。

コーチングって利害関係がないことが条件なんですね。どこまでいっても同じ部署内だと上司部下の関係がありますよね。なので、それはどこまでいっても、コーチングではなく1on1なんですね。コーチングを機能させたい場合は、他部署で利害関係のない方がコーチングする必要がある。そう考えると、人事・労務部で働いている人になるのではないかと思います。

(宮田さん)なるほど。

(藤田)人事・労務部で働いてる人は、利害関係のない人になる努力も必要ですね。

(平田さん)人事・労務部の方は、相談に乗りたいと思っているはず。ただ相談対応するのではなく、その人が前に進むような関わりがしたいとも思っているはず。それができると、仕事もやりやすくなるし、時間圧縮もできるんじゃないかと思います。

(宮田さん)ありがとうございます。でも、普通の企業の方は持っていない視点かなと思っていて、具体的な成果を求められる部署の管理職の方が一番受けろって言われていそうな感じがします。

(平田さん)そうですね。企業は成果を求めますからね。ですが、人事・労務の方がコーチングができるようになった方がいいよ、と伝えたいです。

(藤田)コーチングのことを知らない方に知ってもらう機会はありますか?

(平田さん)そうですね。ご自分がコーチングを受けてみることが、コーチングを知る一番の近道ではないかと思います。CTI JAPANでは、「コーチング体験会」を開催しています。コーチングの概要をご紹介した上で、短いセッションをお試し的に受けることができますので、クライアント体験をしてみるにはとても良い機会と思います。

また、コーチングを学ぶことを体験する「基礎コース体験会」も開催しており、ここでは、どんなふうにコーチングを学ぶのかを体験できます。ウェブサイトからお申し込みの上、ぜひお気軽にご参加ください。

その他、公式のnoteX(Twitter)YouTubeでも情報発信をしています。また、新しい試みとして、公式ポッドキャスト「コーチングのコ」で、コーチングを受けたことのないポッドキャスターをお招きして一発勝負のセッションも公開しています。実際のコーチングの雰囲気がわかると思いますのでぜひ聞いてみてください。

(藤田)今日は貴重なお話ありがとうございました!

インタビュイー紹介

株式会社ウエイクアップ 代表取締役社長 CEO 平田淳二さん

平田 淳二(ひらた・じゅんじ)
株式会社ウエイクアップ 代表取締役社長 CEO


1972年、名古屋出身。明治大学法学部卒業。国際会計事務所KPMGにて、メーカー、独立行政法人、病院等に対してコンサルタントを行う。2004年コーチングに運命的に出会ったことをきっかけに、コーアクティブ・コーチングのもつ大きな可能性を信じて、多くの人にコーアクティブ・コーチングを体験してもらう活動を行う。2009年株式会社CTIジャパンのトレーナーに就任、翌年からマネジメントチームとしても活動。2018年 株式会社ウエイクアップ Designing Futureのディレクターとして、ビジネスにおけるコーチングの活用方法を提案するチームを設立。2020年 取締役CEOに就任、2021年10月に代表取締役社長CEOに就任

CTI JAPANについて

CTIは、世界で初めて国際コーチング連盟の認定を受けたプログラムを提供し、コーチングの源流として知られています。ハーバード大学医学部附属のコーチング研究所からCTIのトレーニングはゴールドスタンダードと称され、単なる講義ではなく、実践を通じて本質を学ぶ体験学習を特徴としています。CTIの認定資格であるCPCC®は、業界で最も厳格なものであり、実力と信頼を兼ね備えたプロコーチを育成しています。

CTI JAPANのHPより抜粋

公式note:

公式X:https://twitter.com/CTI_Japan

公式YouTube:

公式ポッドキャスト「コーチングのコ」:

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