「サバイブ」から「アライブ」にシフト 〜CAM Japan〜
こんにちは!Smart相談室CEOの藤田です。
この記事は連載企画「『コーチングとはなにか?』ICF認定スクールに聞いてみた」の一環として、CAM Japanの浅井元規代表にインタビュー取材させていただいた内容をまとめたものです。
2020年から日本ブランチとしてCAM Japanを運営
(藤田)今日はよろしくお願いします!はじめに、簡単に浅井さんの自己紹介をお願いします。
(浅井さん)浅井元規と申します。株式会社co-neという会社の代表をしています。株式会社co-neでは3つのことをやっています。1つ目は、コーチングスクール「CAM Japan」の運営。2つ目は、企業向けの研修、コーチングプログラムの提供。3つ目が、大学院におけるMBAプログラムの一部提供です。
(藤田)コーチングスクール「CAM Japan」について、教えてください。
(浅井さん)「CAM Japan」は、「キャムジャパン」と読みます。CAMは、本場アメリカ発のコーチングスクールで、国際コーチング連盟ICF認定プログラムを運営しています。2005年より何千人ものコーチを育成・輩出し、2020年に日本に上陸しました。
CAM Japanでは、一般的な「プロコーチ」を養成することを目的としていません。私たちの願いは、人々の痛みや喜びに寄り添い、人と共に歩む「体現者」が世の中に増えていくことです。コーチングの在り方やスキルを共有することで、人々がさらに高い価値を提供し、生き生きと活躍している世界を目指しています。
(藤田)どういった経緯で、日本に進出されたのでしょうか?
(浅井さん)私は、アメリカでスポーツメディカルトレーナーをしていました。その中でより多くの人たちの生き方に関わっていきたいと思い、活動の幅を広げる中で、コーチングに出会いました。実際に自分もコーチングの勉強がしてみたいと思い、アメリカにあるCAMの本部でコーチングを学びました。
CAMは、NPO法人として社会課題解決のためにコーチングスクールを運営しています。そのビジョンに共感して、日本でもCAMのビジョンを広めたいという想いから、自らが代表となり、日本ブランチとして活動を開始しました。
「サバイブ」から「アライブ」にシフトするサポート
(藤田)コーチングメソッドに特徴があるのでしょうか?
(浅井さん)コーチング自体は、基本的にICFの定義に準拠しています。細かい部分には違いはありますが、ICFのコアバリューに則っています。
(藤田)スクールを運営している目的を教えてください。
(浅井さん)個人的な話になりますが、もともとはカフェをやりたかったんです。カフェをはじめようとしたら、コーチングスクールになっちゃったんです・・・。
(藤田)カフェからコーチングスクール・・・。
(浅井さん)人々の生きるということが「サバイブ」から「アライブ」にシフトしていく、そういう社会になっていってほしいと思ったんです。CAMは、そのために活動しています。CAM本部はNPO法人で自分たちの営利目的というよりは、社会に対して価値観を浸透させていくことを存在意義にしています。
サバイバル志向だと、生き残るために頑張らなきゃいけない。スキルアップして自分の市場価値を上げたい、他者からの承認を得たいという考え方はサバイバル志向です。人の価値観と自分を比較するようなサバイバル志向から、自分が自分の人生を生きる、自分が自分の価値観を認識し、自分の持っているギフトや強みを活かしていくという価値観を広めたいんです。そういう他人軸から自分軸に判断基準をシフトさせるためのサポートがしたいと考えて、そういうコンセプトのコミュニティや場作りをしたかった。その場がカフェです。
(藤田)そのカフェがスクールに・・・。
(浅井さん)カフェをしようと計画していた時に、CAMのスクールを日本で開設する機会があり、カフェという場所にこだわらず、より自由にCAMの価値観を広める方法として、スクールの方が最適だという考えて、スクールを運営することにしました。スクールを開設してから、4年が経ちます。
スクール運営が「塾型」ではなく「コミュニティ型」
(藤田)そう言った設立の背景がスクールのカリキュラムにも影響を与えていますか?
(浅井さん)影響を受けています。その結果、スクール運営の思想が特徴的です。CAM Japanのスクール運営は、「塾型」ではなくて「コミュニティ型」であることです。
(浅井さん)コーチングは、資格試験による国際基準の認定を行っています。それをクリアするためにスクールで学ぶ。当然、スクールとしてその試験に受かるための学びを提供します。これが受験勉強のための「塾型」です。
この型は、試験に受かることがゴールであり、コーチングの型を教えています。その場合は、本当の意味でその人が成熟していったり、コーチングという概念を取り入れていきながら、生き方を変えていくところまでは到達しません。
生き方を変えるまでに達するためには、学習を重ね、自分とも対峙していかないといけない。これが難しいんです。時間もかかりますし、自分では乗り越えられない壁を他者との対話を通じて越えていく必要がある。そのためには、資格取得をゴールとする「塾型」ではなく、中期的な対話を可能にする「コミュニティ型」である必要があるんです。
CAM Japanは、「コミュニティ型」のスクールを運営することで、コーチングを学ぶプロセスの中で、自分と対峙し、自分はどう思っているのだろう、自分は今どう変化しているのだろう、自分の成熟、自分のあり方って何なんだろう、と考えていくことを目指しています。
「課題」ではなく、「クライアント」に焦点を当てる
(藤田)コーチングスキルの習得をゴールにしていないんですね。
(浅井さん)そうです。コーチングスキルは、みなさん習得できます。ですが、コーチが成長し成熟しないと提供するコーチングも進歩しないんです。
コーチングを通じてクライアントとともに見る光景や世界観は、コーチとクライアントがともに創り上げていくものです。それぞれのマインドセット、意識レベルが発展しないと、コーチングの質も向上しません。
コーチングは、テーマになっている課題に焦点を当てるんじゃない。その課題と向き合っているクライアント、そのクライアント自身と対峙しているので、そのクライアント自身がどう成長していきたいか、そこにどんな願いがあるのか、その人にとって最善の前進とは何なのかという本質を深めていくような関わりをする必要がある。その関わりを進歩させるためには、コーチングスキルの進歩ではなく、コーチ自身の進歩が必要となります。
企業に導入することで、コーチングを「意識の高い人のもの」から「みんなが使うもの」に
(藤田)企業の中でコーチングを活用するメリットはありますか?
(浅井さん)コーチングやコーチングマインドを社内コーチ制度やコーチングの研修によって取り入れていくことでメリットがあると思います。
例えば、管理職育成の中で、その意識レベルが向上することで、傘下の組織全体のポテンシャルが生かされるマネジメントができるようになるでしょう。また、同時に組織コンディションが良くなっていきますから、離職率が下がり、生産性が上がるでしょう。
また、別軸での意見になりますが、コーチが社内にいることにメリットがあると思います。外部でも自由にコーチングをできるのであれば、それでも良いです。そうすることで、単純にコーチングを受けやすくなります。
コーチングを「意識の高い人のためのもの」から「みんなが使うもの」に変えることで、社員全員が主体的に自分自身の状況を把握するようになる。社員が自分の成長に必要なものを言語化していきながら、「組織の目標」と「自分自身の目標」を一致させられるようになります。「組織の目標」と「自分自身の目標」が一致しないと、個人はその組織の中で、パフォーマンスを発揮していくことができません。
(藤田)「個人の成長」と「組織の成長」を一致させるというのは、Smart相談室のミッションでもあります。とても共感できるお話でした。ありがとうございました!
インタビュイー紹介
CAM Japanについて
CAM Japanは、資格取得を主な目的とする塾型スクールではなく、受講生の目標に向かって共に伴走するコミュニティ型スクールです。コーチングスキルの体得や資格取得は、通過点。受講中も、また受講修了後もご参加いただけるコミュニティでのサポートを通し、「あなた(キャリア)×コーチング」のスタイルや価値を探求する受講生に伴走し続けます。
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