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1対1コーチングとチームコーチングの両方が身につく 〜ホールシステムコーチング®〜

 こんにちは!Smart相談室CEOの藤田です。
この記事は連載企画「『コーチングとはなにか?』ICF認定スクールに聞いてみた」の一環として、ホールシステムコーチング®代表の生嶋幸子さんにインタビュー取材させていただいた内容をまとめたものです。

ホールシステムコーチング®のロゴ

コーチングとは「実現する、達成する、共創する」こと

(藤田)生嶋さん、今日はよろしくお願いします!はじめに、自己紹介をお願いします。

(生嶋さん)こんにちは、生嶋幸子です。よろしくお願いします。株式会社コーチ・アイエヌジー(以下、コーチ・アイエヌジー)という会社を経営しています。

株式会社コーチ・アイエヌジーのロゴ

コーチ・アイエヌジーの中で、ホールシステムコーチング®(以下、WSC)という国際コーチング連盟(以下、ICF)認定のコーチングスクールを運営しています。私自身は2000年からコーチを始めて、今年ちょうど24年立ちました。

(藤田)WSCにおけるコーチングの定義を教えてください。

(生嶋さん)「実現する、達成する、共創する」をコーチングの定義としています。クライアントさんが本当に実現したいことを手に入れるために、クライアントとコーチが共創するということです。この定義は、時代と共に変化し、その時代その時代において、それぞれの役割を果たしてきました。

もともとコーチ・アイエヌジーのビジョンとして「私たちは新しい物語を共創する」というものがあります。Co-Create(コークリエイト)、共創です。

株式会社コーチ・アイエヌジーのビジョン(HPより抜粋)

そこで、スクールであるWSCとしては、単純にコーチングができる、ということだけでなく、クライアントと共に新しい物語を共創できるコーチの養成を目指しています。なので、「実現する、達成する、共創する」は定義であり、コーチが存在する目的でもありますね。

(藤田)インタラクティブなものを感じます。

(生嶋さん)コーチングは、人や組織と協働して成長し、そして幸せになるための探求です。何かを達成することだけが目的でもないし、実現することだけが目的ではない。クライアント(人も組織も)が成長し、そして幸せを探求するプロセスをともに進めていくのがコーチングです。

コーチの思考の癖がクライアントの成功を左右している

(藤田)オリジナリティを感じる内容なのですが、コーチ・アイエヌジーさん、WSCさんは、どのような経緯で設立されたのでしょうか?

(生嶋さん)WSCは、森西美香さんと私で共同開発しました。出会いは古くて20年以上前です。私は2000年から、森西さんは2003年からコーチを始めています。2004年に共通のコーチの紹介でNLP(実践心理学コミュニケーション)を始め、2005年3月アメリカ・フロリダで行われたNLPトレーナーズトレーニングで滞在したホテルの相部屋がきっかけで意気投合し、寝食を共にすることで交流を深めました。帰国後、米国認定NLPコースを開催する運びとなり、2014年2月まで9年間、一緒にNLPコース開催をしてきました。

NLPのコースを一緒に開催していく中で、

「成果の出せないコーチは思考の癖がクライアントの可能性を狭めている。
そして成果の出せるコーチは感動にも似た、圧倒的な気づきを提供している」

WSC共同開発者の気づき

ということに気づきました。しかし、その思考の癖をどのように解消していけばいいのか?当時は見当もつきませんでした。幾度となく繰り返されるミーティング。この課題解決がWSC開発のきっかけです。

その後、2010年、ICF認定プログラムになることを目標にプログラム開発がスタートしました。私たちはチャレンジャーです。WSCの開発を始めたとき、「どうせやるなら、ICFの認定プログラムになる」と決めました。

*WSC誕生の詳細は、下記をご確認ください

持続的なチーム開発ができるコーチを育成している

(藤田)WSCの特徴を教えてください。

(生嶋さん)チームコーチングができるコーチを育成していることでしょうね。コーチングが広まる中で、1対1のコーチングはできるけど、複数名へのコーチングをできる人が非常に少ないねって思ったんですよ。WSCのプログラムは、1対1のコーチングとチームへのコーチングを学べる内容になっています。特にグループコーチングじゃなくて、チームをコーチするんです。

組織を変革しようとした際に、一人ひとりと話をしても、全体最適にはならないんです。部分最適になってしまう。1対1の話は、とても大切です。ですが、個別対応。1対1の話が大切なうえで、チームとしてどうしたいのかということを放置していては望ましい未来は訪れない。

でも、チームの問題をチームそのものに対して、多面的に働きかけることができるコーチがいないんですね。ちょっと乱暴な言い方なので、誤解ないようにお伝えすると、1対1の話が重要でないって言っているわけではないですよ。

チーム能力の開発と個人能力の開発の両方ができるコーチ育成をするために、心理学をベースとしてプログラムにしたものがWSCです。当時の日本には、コーチ・エィさん、CTIさんの2つしかICF認定のプログラムがなくて、WSCが3つ目のICF認定プログラムでした。

(藤田)すごい、なんだかパワーを感じます。

(生嶋さん)そうですね、我々のコーチングマインドをそのまま体現した形です。私たちでもICF認定のグローバルスタンダードなコーチングスクールを創れると証明したかった。オリンピックで「一人が十秒の壁を切ったら、またたく間に、多くの選手が十秒の壁を越える」というような状況を、私たちが社会に示したかったです。その後、多くのスクールさんが誕生されているので、一定の社会的な役目を果たすことはできたかな、と感じています。

「Weメソッド®︎」で、「周りのシステム」=「関係性」にアプローチする

(藤田)チームに作用するという部分、とても興味深いです。もう少し教えてもらえますでしょうか?

(生嶋さん)その部分を「チームコーチング」と言っています。「グループ」コーチングではなく、「チーム」コーチングです。WSCは、この「チームコーチング」を提供できるコーチを養成しています。組織のプロジェクトや変革を一緒にやっていくコーチです。そのメソッドが、「Weメソッド®︎」です。

(藤田)「Weメソッド®︎」気になります。

(生嶋さん)まず、コーチになるような方だったら、クライアント個人に幸せになってほしいって思いますよね。その際にコーチは、クライアント自身がどう考えるか、何を選択するか、によって、クライアントの人生の選択肢が変わることを理解していると思います。これは正しく、クライアントにコーチングのアプローチで関わっていくと言うことです。私自身、そのようなコーチングマインドで個人の方のサポートをしていた際に、個人の成長と組織の成長、両方がいるということに気づきました。

それまでのコーチングは、クライアントの「個人のシステム」=「個人の脳」にアプローチしています。これを「周りのシステム」=「関係性」にアプローチするように変えていくんですね。そうすると、クライアント自身の発言において、関係性の中から「枠組み」とか「制限」があることに気づく、そして、「枠組み」とか「制限」の中で思考したり行動したりしがちであることもわかってくる。

必ずしも、その「枠組み」とか「制限」を越えれば良いというものではありませんが、少なくともその存在に気づき、意識的になることで組織に機能する可能性が生まれてきます。クライアントが個人として、組織に機能するきっかけになる。そのようなきっかけを一緒に創っていけるコーチを養成しているのがWSCです。

(藤田)「個人の脳」→「関係性」への変化は、目から鱗です。パラダイムシフトレベルの衝撃を受けました。生嶋さんの強い決意のようなものも感じました。コーチとしてのBeingのようにも感じました。

(生嶋さん)そうですね。当時、「新しい物語を共創する」ということをイメージした際に、未来を創るというイメージが湧いてきました。これって、個人をイメージしていると言うよりは、組織、そして社会をイメージしたんですね。

そうした時に、コーチングの内容が、そのコーチの枠組みに閉じてしまうと思ったんですよね。なので、コーチ自身の、私自身の世界観やビリーフを意識したり、変える必要がある。そういう意味では、私たちWSC共同開発者の考えや在り方がコースに現れているかもしれません。

生き物としての「チーム」が変化するプロセスを体験

(藤田)スクールのカリキュラムとしての特徴はありますか?

(生嶋さん)ICF認定を受けていますから、ICFのコンピテンシーに沿っている部分は、基本に忠実ですね。

それ以外の部分で言うと、いろいろな背景の受講者さんがいらっしゃることと、そのみなさんが実際に「グループ」から「チーム」、「個人の脳」から「関係性」へ変化する場を体験できる内容になっていることでしょうね。Weメソッド®︎の仕組み、プロセスを実態としてご体験いただくのがカリキュラムの特徴です。

体験は大切です。チームコーチングであろうと、1対1のコーチングだろうと、クライアント体験が絶対必要ですし、成長に大きな効果を与えます。特に「チーム」って生き物だから、どのように成長するのか、どんなふうに対立が起こるのか、それをどのようにビルディングしていくのか、それを体験していただけることがメリットです。

(藤田)企業がコーチングを導入するメリットはありますか?

(生嶋さん)企業文化が変わることです。コーチングにより、組織の中に、新しいコミュニケーションの形態が生まれ、結果として成果が出たり、プロジェクトがスムーズに進んだりするようになります。

Weメソッド®︎の導入であれば、上下関係だったり、他部署との関係、社外の方々との関係性が変化します。変化した結果、パートナーのような形でチームが動き出します。企業は営利団体ですから、成果が市況や財務基盤などから影響を受けます。ですが、その前段階のプロセスにおいて、大きな変化が起きる。そのことを実感していただけると思います。

(藤田)貴社のオリジナルなメソッドや考え方にとても興味を持ちました。このような内容を日常的に勉強できる方法はありますでしょうか?

(生嶋さん)WSCから定期的に情報発信をしています。少し、専門的な内容も含まれますが、コンセプトや概念など、WSCの考えに則したものになっていますので、ご確認いただけましたら、何かのヒントになるかもしれません。

インタビュイー紹介

株式会社コーチ・アイエヌジー代表取締役 生嶋 幸子さん

生嶋 幸子(きじま・さちこ)
株式会社コーチ・アイエヌジー 代表取締役

■ 経歴
1987年、自動車販売会社にて営業・教育トレーナーを担当したことをきっかけに、人材育成への道を歩み始める。1995年、総合人材サービス企業にて教育部門を立ち上げや、人材ビジネスのトータルプロデュースに携わり、事業部の責任者として採用から人材育成体系の企画・運営・構築を行った。また社長秘書として、事業計画策定・新規プロジェクト・組織活性化まで幅広く担当。研修講師として、企業研修や短期大学・大学での就職支援セミナーを中心に活動する。2002年3月、吉本リーダーズカレッジ(現:リーダーズカレッジ)を卒業。「笑い」は良好なコミュニケーションに不可欠要素、現在も笑いのセンスを追求し続けている。2003年5月、コーチとして独立し、エグゼクティブコーチングやコミュニケーション研修、講演などを中心とした活動をスタート。2004年10月、日本コーチ協会第6回年次大会「Coaching2004」分科会「独立コーチとしての成功体験」のスピーカーとして事例発表。2004年11月、関西女性初の国際コーチ連盟(現:国際コーチング連盟)プロフェッショナル認定コーチ取得。2005年3月、渡米して米国NLP協会認定NLP™トレーナーの資格を取得。2004年~2006年まで、日本コーチ協会大阪チャプター副代表を務める。2010年5月、日本コーチ協会大阪チャプター副代表に就任。2006年4月~2014年まで、財団法人奈良市生涯学習財団評議員を務める。2006年5月、株式会社コーチ・アイエヌジー設立。2008年1月、関西女性初の国際コーチ連盟(現:国際コーチング連盟)マスター認定コーチを取得。2014年5月 コーチ育成ブログラム「ホールシステムコーチング®」が国際コーチング連盟(ICF:本部アメリカ)のコーチ・トレーニング・プログラムに正式に認定される。2017年8月 国際コーチ連盟(現:国際コーチング連盟 ICF)グローバル・コーチ・カンファレンス(ワシントンD.Cで開催)でアジア人唯一のスピーカーを務める。2022年10月 国際コーチング連盟日本支部 ICFジャパンCode&CCアンバサダー就任
コーチとして、企業経営者の能力アップや、組織力アップに尽力しながら、コーチを目指す人の育成も積極的にかかわる。その姿勢は結果として、オリジナルのコーチ育成プログラム「ホールシステムコーチング®」へと実を結び、今、またそのプログラムによって、結果の出せる人と組織の育成に貢献している。
■ 資格
国際コーチング連盟マスター認定コーチ(MCC)
米国NLP協会認定NLP™トレーナー
米国NLP協会認定Art of NLPトレーナー
秘書検定1級

ホールシステムコーチング®について

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 ホールシステムコーチング®(WSC)は、1対1コーチングとチームコーチングの両方を学べるスクールです。Weメソッド®︎やNLP、ポジティブ心理学、脳科学を統合し、ICF認定を受けたプログラムは、個人の成長と組織開発に効果的です。2014年、国際コーチング連盟(ICF)から日本で3番目の正式認定(ACTP)を受けました。私たちは共創ステージを共に創れるコーチ育成とWeメソッド®︎コーチングを通して、社会の一人ひとりが夢をもち、私たちが元気、日本が元気、世界が元気なハッピーワールドの実現に貢献していきます。

*「『コーチングとはなにか?』ICF認定スクールに聞いてみた」記事一覧はこちら


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