Smart相談室が広めたいコーチング文化って何?〜後編|メンバー向けの使い方〜
今回は、Smart相談室が広めたいコーチング文化って何?〜前編|コーチングとは?〜の後編。
Smart相談室の利用者の20%以上が活用されているコーチングサービスの開発の責任者であるイレイさんはどのような想いで開発し、自身ではどのように活用しているのか、お話を聞いてみました。以下、その内容を記事化しています。
聞き手は、藤田に加えて、2024年2月にご入社された事業推進グループの佐々木さんです。
マネージャー自身とメンバー双方の負担を減らして、成長を促すツールが「コーチング」
(藤田)コーチングサービスとして評価していただいているのって、どういったところなんでしょうか?
(イレイさん)組織拡大のマネジメントツールとして非常に有効という点です。
スタートアップの組織戦略上、マネジメント人材の確保について議論されるポイントだと思います。その中で既存社員を育てていくか、外部から採用するのかという議論がありますよね。
それらの決定は事業成長に大きく影響を及ぼします。
一方で優秀なマネージャーはなかなか採用できないですし、育成も簡単なことではない。
私自身思うことがあるのですが、そもそもマネジメント層に期待する役割が多すぎることが、上記のような議論が絶えない原因なのかなと思っています。
基本的にスタートアップのマネージャーの業務内容って俯瞰して見てもキャパオーバー過ぎです(笑)
プレイングしながらいわゆるレベニューマネジメント、ヒューマンマネジメント、両方をしない実現しないといけない。単純にスタートアップのマネージャーの業務内容ってキャパオーバー過ぎです。そのような中で、マネージャー自身とメンバー双方の負担を減らして、成長を促せるツールがコーチングだと思っています。
私自身、一マネージャーなので本音を言うと「メンバーに寄り添いたい」とは本音で思っていて、一方で「自身がどうありたいか」「どのようなキャリアを進みたいか」などいわゆるヒューマンマネジメントの部分に関しては、専門のプロフェッショナルがいるぐらい本来専門領域だと思うんですよね。
「自身がどうありたいか」「キャリア設計」などはまさにSmart相談室のキャリアコンサルタントやコーチが得意としている領域ですので我々に任せていただき、レベニューマネジメント、つまりコトに向かってリソースを全BETするくらいしないとスタートアップでの課題解決はスピード上がらないのではと思っています。
レベニューマネジメントの課題も山積みの中、ヒューマンマネジメントまで完璧をマネージャーに求めるのは無茶過ぎないかとは思っています(笑)勿論どちらもプロフェッショナルにできる方がいるに越したことはないんですが。
(藤田)力入って来ましたーーー!
(イレイさん)この記事を読んでいる方に、スタートアップの経営層の方がもしいらっしゃったらぜひ理解していただけたらと思うのですが、マネージャー自身からはこのような発信できないんですよ。自分だけキャパオーバーだから従業員みんなも頑張ってよって言うマネージャーなんてそういないじゃないですか。
私、ここのペインの代弁者になりたい!と本当に思ってます。
実際に私はヒューマンマネジメントは苦手である。という事を伝えた上でSmart相談室のメンバーと接していますし、メンバーにも理解していただいており、私に相談するのと同じ頻度でSmart相談室のコーチにも相談してもらってます。私自身本当に助かっています。
【メンバー向けの使い方】コーチングを活用することで思考が「整理された状態」を手に入れ、マネージャーと円滑にコミュニケーションが取れる
(藤田)メンバーはどのようなコーチングを受けられているんですか??
(イレイさん)何点か具体的な内容をご紹介します。1つめは思考の整理。
コーチと悩みや考えてについて壁打ちすると、自身が考えていることが整理されていきます。あくまで一例ですが下記の様な流れです。
上記のようなコーチングをメンバーが受けてくれた上でマネージャーに相談した場合
というようにマネージャーの意思決定スピードが上がる状態を実現できます。
意外とここができていない、いつもはできているが忙しいときはできないなど、課題に感じているマネージャーの方も多いと思います。
また、これは実際に過去の職場で部下であったメンバーから伝えてもらった内容なのですが、
「イレイさんに相談しても結論だけ話してオーラが凄いので壁打ちしづらいです笑」と言われ、従業員目線でも多忙なマネージャーには相談しづらいという、心理的負担を与えてしまっているんだなと反省したことがあります。
そういった点もメンバー層に向けた心理的安全性の高い壁打ち場所としてコーチングが定着すると、世のマネージャーは楽になりますし、メンバーもストレスを感じる機会が減り良い事ばかりだと思います。
【マネージャー向けの使い方】「意思決定」に関して不安だなって思ったらコーチング
マネージャー向けのおすすめな使い方でいうと「意思決定」に関して、ちょっと不安だなって思った時に使ってほしいです。
コーチングの内容はメンバー向けと大きく変わりはないのですが、マネージャー特有の「同じ目線で相談できる相手がいない」「誰も答えを教えてくれないなか自分で決定し続けなければいけない」方には特に使ってほしいです。「あれ?本当にこれでいいんだっけ?」と迷ったときにはコーチへ申込。
意思決定の背景を深掘りしてくれるので決定に自信を持てますし、場合によっては間違いに気づけたりもします。
全ての方にキャリアコーチングがお勧め
(佐々木さん)その他で、入社したばかりの私にもお勧めな使い方はありますか?
(イレイさん)ありますよ。入社したての方に特におすすめしたいのがキャリアコーチングです。
組織として個人にお願いしたい業務と個人のキャリアプランが一致し続けられるのは稀だと思います。私の経験上方向性のギャップは必ず生まれます。その際に、個人がやりたいこと、キャリアプランをコーチングを通じて整理しておく事をお勧めします。
*補足: ここでいうキャリアコーチングはキャリアカウンセリングの意味合いも含まれます。
自身の業務が今後のキャリアパスにどう繋がっているのかを確認する場を設けることで、中期的にパフォーマンスを上げ続けることが可能になります。
仮に繋がっているか不安な際はコーチに相談し、ズレが生まれている場合は早めにマネージャーに伝えることで、ズレ続けた結果、意欲が下がり退職、というリスクは下がります。
働いてる最中はがむしゃらなので、立ち止まってキャリアについて見つめ直す機会って意外と貴重なんですよね。
これは「個人の成長」と「組織の成長」を一致させる作業だと思うんですが、組織としては個人のキャリアプランは支援したいので言ってきてもらえないと、無茶なオーダーをし続けてしまうことも珍しくないと思います。なので、個人、組織双方の歩みよりが必要だと考えています。
佐々木さんにも今後無茶なオーダーは沢山おりてくると思うので(本当にすみません)今のうちにキャリアについて気軽に壁打ちできるお気に入りのコーチを見つけていただけると良いと思いますよ。
上司がコーチングできるようになる、のは良いけど・・・コーチングできている?
(藤田)興味本位の質問なんですが、「自分がコーチングをできるようになった方が良い」という話が出て来ないのが不思議に思ったのですが・・・。世間ではよく言われますよね・・・。
(イレイさん)「上司がコーチングできるようになる」ことで上手くいく側面も勿論あると思います。
(藤田)そうなんですか?
(イレイさん)はい。一方で先程の話にも上がったように、上司にコーチングされて、本音言えますか?
(藤田)・・・。
(イレイさん)会社からの指示がないとした時、メンバーは上司にコーチングしてほしい、と思ってますかね?
(藤田)思ってないでしょうね・・・
(イレイさん)現在共にコーチングサービスの販売拡大施策を実行しているメンバーがいるんですが、そのメンバーは明確に、コーチングだったとしても「上司には全部は言えないですよ、言える人もいると思いますけど僕は言えないですね(笑)信頼していない訳ではないですが、やっぱり本音をすべて話すのは怖いです、後ろ向きな気持ちとか話すと評価下がるんじゃないかって思っちゃいますし」と言われて、やはりそうだよなぁと思いました。
上司がコーチングのスキルを身につけるということ自体は問題ないと思うんですが、メンバーが上司からコーチングを受けたくなる、という話はまた別だと思います。場合によっては、心理的安全性の押し売りになりかねないですからね。
(藤田)上司がコーチングスキルを身につけるのと、その人のコーチングを受けたいかは違う話ということですね。そう考えると、上司にあたるミドルマネージャーとかにコーチングスキルをつけてもらって、そのスキルで組織開発頑張ってねって言うのは、経営層からの押し付けのように思えて来ました。
(イレイさん)間違っていると言い切りたい訳ではないんですがその判断は自社の社員との関係性、距離感を理解して言ってますか?と一度問いかけたいですね。
Smart相談室は心理的安全性の高さも評価していただいています。コーチングスキルのスキルは様々な場面で有用なスキルですので、身につけておくに越したことはないですが、やはり第三者への相談経路を作っておくことが重要だと思います。
マネージャーの立場としては、ここまでは自分がやって、ここからは外部のコーチに任せるみたいな役割分担が当たり前になる世界になると良いですね。啓蒙頑張ります。
話が長くなってしまいましたが、まとめると下記3つがお話できたので私は満足です!インタビューしていただきありがとうございました。
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