人にダイナミックさを与えているものは、紛れもなく感情です 〜シックスセカンズ®ジャパン〜
こんにちは!Smart相談室CEOの藤田です。
この記事は連載企画「『コーチングとはなにか?』ICF認定スクールに聞いてみた」の一環として、シックスセカンズ®ジャパンの勝又美江代表にインタビュー取材させていただいた内容をまとめたものです。
感情知能こそが、人々が変化を起こしていく上で私たちに必要なピース
(藤田)勝又さん、今日はよろしくお願いします!はじめに、自己紹介いただいてもいいですか?
(勝又さん)シックスセカンズジャパン株式会社の代表しております、勝又 美江と申します。もともとは、芸能界の仕事をしておりました。その頃に、人材育成の文脈から「EQ」という概念に出会います。それからは、「EQ」にどっぷり浸かる人生です。私自身はキャリアコンサルティング技能士として、研鑽を積みつつ、EQを活用したコンサルティングを極めたいと考えています。
(藤田)シックスセカンズジャパンさんについても教えてください。
(勝又さん)私ども、シックスセカンズジャパンは、「ジャパン」とついている通り、シックスセカンズの活動を、日本の皆さんにお届けするという立ち位置の組織で、2010年に設立しました。アメリカが本拠地で、グローバルに7拠点展開しています。7拠点のうちの1つが日本、シックスセカンズジャパンです。
シックスセカンズは1997年、世界最初で最大の感情知能(Emotional Intelligence; EQ又はEI)の開発を専門とする組織として、米国において誕生しました。ミッションは、「どこにおいても、如何なるときも、人々がポジティブチェンジを生み出せるようサポートすること」。なぜなら、感情知能こそが、人々が変化を起こしていくうえで私たちに必要なピースであるからです。
シックスセカンズジャパンでは、
というビジョンを掲げ、日本国内で活躍するEQチェンジエージェントと共に、個人と組織のポジティブチェンジを促進・支援できるよう、微力ながら邁進しています。
表情、仕草の裏にある感情に問いを立てる
(藤田)コーチングスクールとして、コーチングの定義はありますか?
(勝又さん)コーチング自体の定義を我々がしているということはありません。ICFの定義をそのままコーチングの定義として理解しています。
シックスセカンズジャパンは、ICF認定を取得されたコーチの方々、さらに高度な感情知能(Emotional Intelligence; EQ又はEI)を理解していただき、コーチングに生かしていただくために、スクールを運営しています。
具体的にはEQ検査ツールを適切に活用して、クライアントの目標達成だったり、行動変容に活かしていただくために、さまざまな学びを提供しています。クライアントの表情や仕草の裏にある感情を理解、把握し、その感情に問いを立てていきます。そうすることで、クライアントがこれまで気づかなかったことや見えてなかったことがわかってくるんですね。その過程を「EQベースコーチング」と言っています。
(藤田)クライアントの表情や仕草の裏にある感情にフォーカスするというのは、とても重要だと思います。
(勝又さん)クライアントが、「なんでこれができないのかな?」とか「なんで物事が進まないのかな」って感じられることってありますよね。そういう時って、感情のどこかでブレーキをかけているんですね。でもクライアントご自身は、感情がブレーキをかけていることに気づいていないことが多いんです。そういったクライアントの感情を認識する力をコーチの能力として開発していただきたいんです。
クライアントの感情を認識するには、まずはコーチ自身が自分の感情を認識する力を育むことが必要と考えています。なぜかというと、コーチが感情を認識する力を持てるようになると、クライアントの感情にも気づきやすくなります。クライアントの感情に気づけると、クライアントの感情に寄り添いながら、コーチングの際にクライアント自らが自分の状態に気づいたり、願望に気づいてもらえるような深い問いかけができるようになります。
感情ってエネルギーを生み出すし、私たちにとってとても大事な情報源なんですよ。コーチングでクライアントの感情をスルーしてしまうのは、大事な情報源を一緒に探索する機会を逃してしまうことになります。この部分が一番の肝で、EQコンピテンシーで定義している「感情リテラシー」という感情の読み書きをする能力です。この能力をコーチの皆さんに学んでもらっています。
弊社の認定資格セミナーで学ばれたコーチの方からこんな声をいただきました。
SEIリーダーシップレポートは3つの探求領域、8つのEQコンピテンシ―、サクセスファクターの3領域を測り、構成しています。コーチングと組み合わせることで、「自分らしくEQを日常のどんな場面でも意図的に実践すること」を後押しします。認定資格セミナーで学んだ方からこのようなコーチングでの活用の様子を聞かせていただくと、私たちが目指す“EQ活用の価値をお届けする”ことにつながっているなと心からうれしく思います。
(藤田)体系化されているんですね。
(勝又さん)はい、実践の型として体系化されてます。さらに学びの体系として、シックスセカンズフィロソフィー(6つの学習哲学)があります。
人が人を教育していく時に、先生が偉くて、生徒が弱い立場、なんてことがあります。でも、先生も生徒から学ぶことって、たくさんあるんです。なので上下関係や従属関係があると健全な学びにならない。その状態を打開するためにシックスセカンズフィロソフィーがあります。例えば、感情が人を動かすなど、先生のような立場の方が「学びを促進する人」となれるような指針です。
複数のEQツールを活用することで組織文化の改善、業績アップを実現できる
(藤田)EQの概念、EQ検査を企業に導入することのメリットはありますか?
(勝又さん)EQを学ぶことで、社員が自分を客観的に知れるというのはメリットでしょうね。特にリーダーの方が学びを進めていただければ、ご自身の感情を理解することができて、セルフリーダーシップを発揮できるようになります。その変化が起きれば、組織が自律的に動き始めるでしょうね。
また、自分が何にモヤモヤしているのか、もわかるようになりますので、精神衛生上良い状態を維持できるでしょう。メンタル不調になりにくくなるという感じでしょうか。仮に社内コーチがおられて、そのコーチの方がEQを学んでいただけると、社員の方と一緒に、その方の感情を明らかにしていく取り組みを進められるでしょうね。
別の側面として、自分の強みがわかるような関わりもあります。その場合は、ご自身のwell-beingや目標達成を後押ししてくれるはずです。あとは、ちょっと専門的ですが、組織診断ができますので、チームとしてのモチベーションアップや組織の開発に活かしていただけますね。個人への作用と組織への作用をうまく組み合わせていただくと組織文化の改善と並びに業績アップをコントロールできると思います。
(藤田)それは、組織に対して大きなインパクトですね。
(勝又さん)そうですね。なかなかイメージできない部分もあると思うので、EQツールを使いこなすことができる「EQチェンジエージェント」と言われる方々がおられます。WEBページ上で検索できるようにしていますので、一度、話を聞いてみると良いかもしれません。「EQチェンジエージェント」の検索はこちらでできます。
実証研究から導き出された結果を元に、常にブラッシュアップ
(藤田)個人にも組織にも作用するのがすごいです。
(勝又さん)そうですね。さらに、シックスセカンズはエビデンスベースです。世界のさまざまな実証研究から導き出された結果を元に、常にブラッシュアップされています。その内容を日本語訳して掲載しているのが「EQ articles」です。EQという知能をどんなテーマに、どう活かせるのか、国内外のEQ事例などもあるのでぜひ、ご確認ください。
(藤田)コーチに新しいツールとして「EQツール」が非常に有効であることがわかりました。本日は、ありがとうございました。
(勝又さん)コーチの方に限らず、感情についての理解を深めたい方は、ぜひEQを学んでみてください。
インタビュイー紹介
シックスセカンズ®ジャパンについて
「EQ-こころの知能指数(第15章情動教育のかたち)」でSEL(社会的・情動的学習プログラム)を「EQ(感情知能)の先駆的教育実践」と紹介されたことがきっかけで誕生したEQグローバルネットワークの日本支部。EQをモデル化したシックスセカンズEQモデル、8つのEQコンピテンシーを開発しEQ検査に搭載。EQ検査は個人向け、組織向けの2種類。日本国内でICF認証のEQプログラム(日本語受講可)展開している唯一の団体。
*「『コーチングとはなにか?』ICF認定スクールに聞いてみた」記事一覧はこちら
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