「想い」が出版企画になるまで。〜『社員がメンタル不調になる前に』出版記念対談〜
こんにちは!広報担当の宮田です。
Smart相談室CEO藤田さんの初の著書『社員がメンタル不調になる前に』が6月21日に発売となりました。
今回は、本書の発売にご尽力いただいた、出版プロデューサーの稲垣さんと藤田さんにこれまでのことを振り返ってもらいました。
出版企画に大事な要素とは?
(宮田)ついに書籍が発売になりましたね!今回はこれまでについてお二人に振り返っていただければと思います。まず、お二人の出会いのきっかけはなんでしょうか?
(藤田さん)Smart相談室を広めていくためのいくつか文脈の中のひとつとして、書籍を出したいと思ったんですよね。そこから稲垣さんと知り合って、一番最初は電話で話しました。電話口で話してみて、僕はバイブスが合うんじゃないかと思ってお会いすることにしたんです。実際にお会いして、僕をチェックしてもらったという感じです。
(稲垣さん)チェックなんて、そんなことないですよ(笑)
お互いに合わないなと思ったらうまくいかないので、最初は必ずお会いするようにしているんです。私はそんなに出版コンサルを積極的にやってるわけじゃないので、自分がピンとくる人としかやらないって決めていて。伝えるべきことがあって、それが誰かの役に立てるから本を出したい、その想いに共感したらお引き受けするんです。でも逆に私はやりたいと思っていても、相手方が私とやりづらいかもしれないので、一回お目にかかるようにしています。それでお会いしたんですよね。
(藤田さん)そうです、そしたら広報チームのまゆこさんとみどりーぬさんが「めっちゃいい!」「絶対やった方がいい!」って言ってくれて。初めてお会いしたときに、ビジュアルも含めた打ち出し方とか、どうやったら響くか、ターゲットの人が何を求めてるか、みたいなことを稲垣さんからたくさん聞かれたんです。その様子を見て、まゆこさんとみどりーぬさんが後押ししてくれて、それでお願いすることにしました。
(宮田)稲垣さんに聞かれて印象に残っていることはありますか?
(藤田さん)印象的だったのは、僕のスキルみたいなことは全然聞かれなくて、僕の想いとか、この社会に何が必要なのかとか、何を解決しようとするのか、みたいなことをたくさん聞かれたのが今となっては印象に残っていますね。それは二回目以降お打ち合わせをしていくなかでさらに顕著になりました。「結局言いたいことはなんなの?」みたいなことをすごく聞かれて(笑)問いかけをもらって、「確かにな、これは事実を並べているだけだな」って気づいたり。
(宮田)そういう質問を多くされるのはなぜでしょう?
(稲垣さん)商業出版なので、出版社は労力もお金もかけて本を出すわけじゃないですか。だとすると、みんなが「それは出すべきだ」と思うものが何なのかがクリアじゃないと手伝えないでしょう。藤田さん自身や社会に起きていること、それに対してSmart相談室を立ち上げたこと、それ自体は素晴らしいと思うけど、どういうメッセージを発信して、読んだ人にどういうふうに変わってもらいたいのか、そこがわからないと本は作れないですよね。そこを明確にするために根掘り葉掘り聞いたんです。
プラス「なんでそんな格好してるの?」って多分聞いたと思う(笑)
(藤田さん)何でしたっけ?髪型の話でしたっけ?
(稲垣さん)最初に藤田さんのプロフィールとしてこの写真が送られてきたんですよ。
なのでこの写真の人に会うと思ってたら、出てきた人が違ったんですよね。この白シャツが爽やかな青年が出てくると思ったら、派手な服で髪型も違ってて、それはどういう意図があるんですかって聞いちゃった(笑)
(藤田さん)そうそう。それは演出なんですか?みたいなことを言われた気がします。
(稲垣さん)私、著者のイメージコンサルティングもしてるんですね。著者自身をどうやって見せるか戦略がないと、本も売れないことを知っているので。どうしてその髪型してるんですか?どうしてその服着てるんですか?っていっぱい聞きながら、この面白いキャラをどう活かそうかなって考えていました。
昔は地味な格好をしていたり、髪型も違ったと思うのですが、服装や髪型が変わったきっかけってあるんですか?
(藤田さん)Smart相談室ってサービスとしてはちゃんとしてるんですけども、調子が悪くなくても、差し迫った状況じゃなくても相談をしていいよっていうのがポイントなわけですよ。だから僕自身がすごくきちっとしていたり、真面目だったりすると、サービスとイメージがずれてしまうんです。そのうえ僕自身の性格はカジュアルなわけで。だからこそ、なんで外見をきちっとしなきゃいけないんですかっていろんな人に言われて。
(稲垣さん)じゃあ最初は真面目な格好をしてた時期もあったんだ。
(藤田さん)多分前職が医療関係なので、スーツにネクタイ締めてみたいな感じだったんですね。でもそれはちょっと違うねっていう話になって、自分の中身と外見も一致させるし、サービスと外見も一致させるというふうに変わってきたんですよ。
(稲垣さん)今は自分で一致していると思っているんですよね。
(藤田さん)そうですね。はい、すごく自然ですね。
第三者視点が企画化の肝
(宮田)その後はどう進行していったんですか?
(稲垣さん)しばらく期間があいたあと、正式に進めることになってまたヒアリングを始めました。藤田さんが思っていることや伝えたいことを、項目の形でどんどん上げてもらって。まゆこさんもみどりーぬさんも入れて、4人でとにかくたくさん出しました。その中から社会が透けて見えるので面白かったですね。
これは最初からすぐに出版社に企画が通るだろうなって思っていました。なぜなら、時流にあっているテーマだし、Smart相談室自体が必要なものだと思うし。Smart相談室が何をやっているかを伝えていけば、それが書籍になることはわかっていたので、どんな事が起きて、どんな人が悩んでいて、どういう対処法があるかという観点で、たくさん項目をあげてもらいました。あとは私の方で整理して、打ち出し方やどこを尖らせるポイントを考えるだけでした。企画にするのはそんな難しいことじゃなかったですね。
(宮田)企画書の形になるまではどのくらいの時間がかかったんですか?
(稲垣さん)二ヶ月ぐらいです。早いですよね。めちゃめちゃ早いと思います。
(藤田さん)内容を考えていくなかで、稲垣さんからよく「で、書けますか?」って言われました。章の中身として、ここはこのトピックスだなっていうのは出てくるんだけど、それに対して少なくとも2‐3ページは書けなくてはダメよ、と。
(稲垣さん)それはよく言ってましたね。
(藤田さん)この内容だと一文で終わってしまうなとか、そんなやり取りがすごい印象に残っています。ブレストで進めていくから、章立てとその中身の節が合っていないことも起こって。章の中でかなり入れ替えした記憶があります。
(稲垣さん)そうですね。例えばどんどん項目をあげていくんですけど、「そもそも調子が悪いことに気づかないところが厄介」っていう内容がいろんな章で書かれていたり、同じようなことが続いてしまうんですね。どっちの章で書きますか?っていうようなことはいっぱい聞いたと思いますね。
(宮田)第三者視点でサポートいただいたんですね。
(稲垣さん)そうですね。私は外部の人間なので、「そもそも相談に行けないのが現実です」って言われて、それに共感できても内容はわからない。だからどんなこと書けるんですか?って聞きました。
例えばその例として、「パートナーが皿洗いしてくれない」とか「彼氏が浮気している」ってことを会社には相談しづらいですよねって、具体的に話してくださったりすると、内容がクリアになって納得できるんです。じゃあこの章ではそういうことが書けますねって一つ一つ確認していった感じですね。
個人として大事な本か?会社として大事な本か?
(宮田)ほかにもなにか課題はありましたか?
(稲垣さん)問題は読者ターゲットでした。選択肢は2つあって、一つは人事・労務担当者、もう一つはメンタル不調に陥っている方。両方の方に読んでほしいけど、それでは企画がブレてしまうのでどうするかっていうのはすごく話したと思います。
そのときに、この本を通して藤田さんが有名になりたいのか、会社としてこの本が大事なのかどっちですかって聞きました。そしたら、会社として大事だとおっしゃったので、じゃあ性質的には人事・労務担当者向けの方がいいですよねっていうところが定まって。ターゲットが決まると章立てが定まるので、それで構成が決まって企画書ができあがりました。
(宮田)それから日本能率協会マネジメントセンターの編集者・黒川さんにご提案いただいて、企画が通ったんですね。
(稲垣さん)そうですね。でもSmart相談室の社長が書くSmart相談室のための書籍だと商業出版が難しいので、藤田さんご自身も実は苦しんだ経験があることや、Smart相談室を通して得たいろんな事例を盛り込んで、読者の方にとってプラスになる方向で企画をまとめて提出しました。
出版社内の意見を取り入れつつ、黒川さんも練り直してくださって、お互いに合意したところで執筆をスタートしましたね。
最初に藤田さんに聞いたのは、設計図があって書きやすいタイプか、書きながら設計図ができていくタイプのどちらですかということでした。
(宮田)どっちだったんですか?
(藤田さん)設計図があったほうが書きやすいタイプだと思って先に章立てしてから書き始めましたね。
(稲垣さん)見事に設計図通り書いてくださいました。忠実過ぎるくらい(笑)「書きにくいところは変えていいですよ」とか、「設計図通りじゃなくても大丈夫です」っていうのは途中で何度かお伝えしました。途中筆が止まるのは、忠実に書こうとしすぎて止まってるんじゃないかと思ったり。お仕事の忙しさもわからないので、書く気が起きないのか、時間がなくて書けないのかわからなくて。
(藤田さん)半々でしたね。まゆこさんからカレンダーをブロックしてくださいって何度も言われました。忙しいのは当然忙しいんですけど、ブロックすれば予定は入ってこないので、途中から細切りでやるのはやめて必ずブロックするようにしました。
(稲垣さん)そうですね。この作家はこのホテルで缶詰していましたとか、そういう情報もお渡ししましたね。
(宮田)そんなこんなを経て、ついに出来上がってきたんですね。初稿を書き上げたときの気持ちはいかがでしたか?
(藤田さん)正直、もっと早く書き上げればよかったなって思いました。書き上げてからもう一回読むことで結構書きたい内容が変わってくるんです。今だったら一番初めに一か月ぐらいで缶詰して書き上げて、そこからもう一度読みながら書き直すようにすると思います。
(稲垣さん)今書き直したいところは結構ありますか?
(藤田さん)書き直したいところっていうよりはもっと増やしたいみたいなイメージですね。もっとこういう風にもかけたんじゃないか、こういうことも言えたんじゃないかみたいなことですね。
(稲垣さん)でも、最初書きあげた時に文字数が少なくて、黒川さんから「少ない・・・」って反応があって(笑)
(藤田さん)頑張って膨らましたんですよ。なんとかかんとかね。
(稲垣さん)それでも読み直すとあそこはこうしたかったっていうのが出てきますよね。
(藤田さん)2冊目は格段にいい本が書けるような気がします。
チームでつくった1冊
(宮田)では最後にひとことお願いします。
(藤田さん)出版のチャンスをくれたのは稲垣さんなので、もうすごく感謝してます。機会があればぜひこれからもどんどんやっていきたいと思ってます。
(宮田)信頼するパートナーに出会えたことは大きいですよね。
(藤田さん)そうですよ、本当ラッキーですよね。
会社としてやっているので、僕個人と稲垣さんの2人だけでやるのではなく組織としてうまくやっていかなきゃいけないわけで。そんななかで稲垣さんが、社内のチームとうまいことやってくれたのがすごくよかったです。チームとして機能しないと一緒にやるメリットがないので、うまく融合しながらやれたのがよかったですね。
(稲垣さん)まゆこさんとみどりーぬさんがいたのもすごく大きかったですね。チーム藤田だったんで。藤田さんが頑張って書いたのはもちろんですけど、チームじゃなかったらこうはいなかったですよね。チームとして機能するのは本人の人柄もあってのことで、周りがサポートしてくれるのは藤田さんだからこそですよね。だからすごいと思いますね。ビッグになってくれという気持ちです。
(宮田)貴重なお話ありがとうございました!たくさんの方に本を届けていきましょう!
*藤田さん執筆出版記念noteはこちら
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