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非連続な改定で人材マネジメントシステムを機能させたい 〜人事制度のPDCA〜

 こんにちは、Smart相談室CEOの藤田です。
Smart相談室では、半年ごとに人材マネジメントシステムのPDCAをまわしています。今の人材マネジメントシステムの運用を始めたのが、2023年7月です。その後、2024年1月に一度目の改定、2024年7月に二度目の改定が行われました。2025年1月は、既存の人材マネジメントシステムの改定とは別に、組織戦略と人事ポリシーを設定しました。今日は、それらのことについてお伝えします。


自分で説明しながら感じた2つのイシュー

 2024年7月改定についての説明会を2024年6月に3回行いました。極力全社員に聞いてほしくて、3回同じ内容で実施しました。その説明会を行いながら、

・各論は最適化されつつも、それらを包括する考え方のようなものが不足している
・必要な部分が精緻化されるなかで、評価オペレーションの負荷が高くなっている

と感じていました。この2つのイシューを解消すべく、2025年1月改定が行われました。

VMVに強く共感していても、VMVと人事機能を紐づける仕組みが必要なフェーズ

 イシューのひとつ、「各論は最適化されつつも、それらを包括する考え方のようなものが不足している」についてですが、考えてみれば、弊社の人材マネジメントは、VMVをもとに最低限必要な人事施策を都度開発、改定して今に至っています。特に弊社はVMVが独特で、その独特のVMVに強く共感したメンバーが集まっています。なので、VMVと人事機能を紐づける仕組みは必要なく、その仕組みがなくても、違和感なく全社が一丸となれていました。

Smart相談室のVMV

今、違和感があるわけではないのですが、今後の成長や人事施策の運用を考えると、VMVと各種施策をリンクさせる仕組みが必要だと思い始め、その仕組みとして、今回組織戦略と人事ポリシーを設定しました。

 また、今回の作業においてこれまでと大きく異なったのは、力強い助っ人がいたことです。今回の改定は、社外パートナーとして人事領域をサポートしてくれている、薮田孝仁さんにご協力をいただきました。

薮田孝仁(やぶた・たかひと)さん
株式会社ECナビ(現 CARTA HOLDINGS)、株式会社ライブドアでWebディレクターとして従事。2011年から人事へキャリアチェンジし、LINE株式会社(現 LINEヤフー)にて人事業務に従事。2019年からSmartHRにて人事執行役員を担当。2024年に個人事務所を開業。スタートアップの組織人事を支援している。

*YOUTRUSTさんに、薮田さんと一緒にインタビューをいただきました!

VMVと各種施策をリンクさせる仕組み

 まず、はじめに私が「不足している」と感じていた各論の最適解ではない「全体を包括する考え方のようなもの」が何なのか考えました。
全体の流れを追っていくと、「VMV→事業戦略→各種人事施策」という関係性になっており、事業戦略と各種人事施策の間に飛躍があるということに気が付きました。この飛躍を埋めるのは何か・・・『組織デザイン』(日経BPマーケティング)という書籍をパラパラめくりながら、ひらめいたのが、

・「事業戦略を実現するための組織」はどんなものなのか
・「その組織を構成する人材」はどのようなものなのか

藤田のひらめき

が定義されていないなぁということでした。
なので、上記の2つを作って、VMVと人事施策を紐づけることにしました。その関係性を図にしたのか下記になります。この図は、前出の薮田さんが図形化してくれました。感謝、感謝。

社内説明資料から抜粋

・「事業戦略を実現するための組織」はどんなものなのか
・「その組織を構成する人材」はどのようなものなのか

というひらめきについては、それぞれ、思考停止によるイシューの裏返しによって、

・「事業戦略を実現するための組織」のありかた
・「その組織を担うために必要な人材と働くための人事施策」の考え方

があればよい、と考えました。ホントに自分の単純さ、思慮浅さにはビックリします。
*経営に悩んでいる方、私はこんな感じで課題に取り組んでいます(見習わないでね)。

経営の想いを言語化、「組織戦略」と「人事ポリシー」にする

 2つのことを定義すれば良いと決めてからは、教科書通りですが、それぞてについての藤田の想いを、制限なく発散(アウトプット)しました。意味不明なこと、整合性がとれないこと、MECEでないことなどを気にせずアウトプットしました。

今回は薮田さんがサポートに入っていただいていましたので、薮田さんにその内容を一旦受け取ってもらい、これまで藤田が社内に発信してきたことを加味して、いくつかの文章にしてもらいました。

その後は、薮田さんと私の間でのレビュー、Smart相談室のことをよく知っている経営者の方からのレビュー、社内広報チームのレビュー、マネージャー陣のレビューを経て、複数の文章をセットにする形で、2つのことを定義しました。この2つの定義を

・「事業戦略を実現するための組織」のありかた
 →組織戦略
・「その組織を担うために必要な人材と働くための人事施策」の考え方
 →人事ポリシー

としてまとめました。

社内説明資料から抜粋
社内説明資料から抜粋

 今回の作業は、今後の組織のあり方に強く影響を与えるだろうと考えていました。なので、なるべく藤田の想いが反映されたものにしたいと考えて、はじめから“藤田の想い”を言語化する方法を採用しました。今後、組織が大きくなっていくなかで、必要に応じて改定をしていけばよいと考えています。

各種人事施策のPDCA、5つの変更点

 改定のなかには、これまでの流れから連続性を持ってPDCAを実現したものもあります。具体的には、下記5つです。

1️⃣評価基準の変更
2️⃣新入社員の評価対象期間の変更
3️⃣評価結果と昇降給テーブルの改善
4️⃣等級をまたぐ降給の対処
5️⃣昇格・降格のプロセスのリニューアル

2024年下期の人材マネジメントサイクルにおいて、課題が下記3つありました。

(1)人事制度、運用プロセスが複雑&何回
・いつ、何がどこで決まるのかのプロセスが十分に可視化されていない。
・結果、被評価者の納得感を下げる可能性がある。

(2)スプレッドシートでの評価運用や、評価会議の運用に限界が来そう
・人数規模が大きくなったときにパンクする未来が見える。
・特にHRオフィスとマネージャー陣。

(3)降格や降給の規定はあるものの、プロセスが十分に可視化されていない。また、規定はあるが、解釈が難しく誤解を与える可能性がある。

3つの課題を丁寧に整理、検討した結果、冒頭の5つの変更を実施しました。テクニカルな内容ですので、ここでは割愛します。

やはり定期的に改定することが大切

 人材マネジメントの改定については、毎回感じますが、「改定すること」が大切です。連続的なPCDAとして各種の施策を改定することは当然ですし、組織が大きく変化するなかで非連続な変更も必要です。

人材マネジメントシステムが、何年も同じ内容であって組織にフィットすることは少ないように思います。逆にVMVは変更しなくても中期的に機能しなければならないもののように思います。

2025年上期も、2025年7月に適切な改定が出来るように、インプットを得ていきたいです。本年も、よろしくお願いします!

これまでの制度改定についてはこちら

*一度目の改定の裏側はこちらのnoteで公開しています

*二度目の改定の裏側はこちらのnoteで公開しています

*人材マネジメントシステムを設定する前段階のVMV設定についてはこちらのnoteで公開しています


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